最新情報 shkurt  (2002年2月1日~2月28日)

パンデリ・マイコ

社会党 首相候補決める
 社会党(PS)の執行委員会で6日、首相候補の選挙が行われ、パンデリ・マイコ Pandeli Majko 国防相が次期首相候補に選出され、事実上の新首相が決定した。
 ファトス・ナノ Fatos Nano 党首陣営の候補として名前があがっていたカストリオト・イスラミ Kastriot Islami 元副首相が直前に出馬を辞退したため、若手グループの代表であるマイコと「中間派」とされるエルメリンダ・メクスィ Ermelinda Meksi 経済協力相との一騎打ちとなったが、結果はマイコの大勝に終わった。年内に予定されている大統領選挙に向けて、政権内部での足がかりを作ろうとしていた(と言われている)ファトス・ナノにとって打撃となった。 【次期大統領候補としては現メイダニ大統領の他、ファトス・ナノ社会党党首、元・共和党党首で作家のサブリ・ゴド Sabri Godo、さらにイスマイル・カダレ Ismail Kadare の名も取り沙汰されている】
(Shekulli 07.02.2002 他)


各党の反応
 マイコ新首相候補の選出について、社会党と連立を組んでいる社会民主党(PSD)のスカンデル・ジヌシ Skënder Gjinushi 党首、人権同盟党(PBDNj)のヴァスィル・メロ Vasil Melo 党首、民主同盟党(PAD)のネリタン・ツェカ Neritan Ceka 党首らは概ね肯定的に評価しており、現行の中道左派連立政権は維持される見通し。
 一方、民主党(PD)のサリ・ベリシャ Sali Berisha 党首は「喜劇は終わりにしよう」と述べ、マイコ次期首相の早期退任を主張した。
(BalkanWeb 07.02.2002 09.02.2002 他)


90人の目撃者
 12日にハーグで開廷されるミロシェヴィチ前大統領への国際戦犯法廷に、イブラヒム・ルゴヴァ Ibrahim Rugova を含む90人のコソヴォ・アルバニア人が証人として出廷する予定。
(BalkanWeb 07.02.2002)


57年の蓄積
 現・コソヴォ民主連盟の機関紙で、コソヴォの代表的日刊紙でもある「リリンデャ Rilindja 」は創刊から57周年を向かえ、プリシュティナ市内で祝賀式典が開催される。同紙は1945年2月12日、コソヴォで最初のアルバニア語紙としてプリズレン Prizren で創刊され、1990年から1999年まではコソヴォ内部での発行中断を余儀なくされた。
(BalkanWeb 12.02.2002)


マイコ 組閣作業へ
 マイコ次期首相は7日、大統領官邸でレヂェプ・メイダニ Rexhep Mejdani 大統領の任命を受け(同時にイリル・メタ Ilir Meta 現首相の辞任が正式に了承され)、ただちに社会党内での組閣作業に入った。ファトス・ナノ党首に宛てられた組閣案として「Shekulli」紙に掲載されたリストは次の通り;  メタ前首相が閣僚に加わる見込みについて、ナノ党首は「特に聞いていない」と述べ、直接の関与を否定している。一方で「改革派」と称される党内若手グループはナノ党首陣営への批判を強めており、マイコ次期首相に対して要求書を出したとの情報も流れている。
(Shekulli 12.02.2002 他)


メタ 入閣拒否
 マイコ次期首相による組閣人事の中で内務相への就任を打診されていたイリル・メタ Ilir Meta 前首相は、入閣を正式に否定した。メタ入閣に反対するファトス・ナノ Fatos Nano 党首陣営に配慮した対応と見られる。
(QIK 14.02.2002)


民主同盟 入閣せず
 社会党と連立を組む民主同盟党(PAD)執行部のアルベン・イマミ Arben Imami 議長は、前日に行われたネリタン・ツェカ Neritan Ceka 党首、パンデリ・マイコ次期首相との会談後、民主同盟党からは入閣せず閣外協力に留めるとの方針を発表した。
(BalkanWeb 15.02.2002)


政策課題出揃う
 マイコ内閣の組閣作業の関係者はTVのインタヴューで、次期マイコ政権の政策課題として、エネルギー危機の打開を最優先課題とし、EUへの統合推進、2003年までを目処としたアルバニア軍のNATO加盟とアルバニア-EU安定協力条約の締結を目指すと述べた。次期政権は、年間7~8%の経済成長率を掲げている。問題は、議会での信任を得られるかどうかだ。
(BalkanWeb 18.02.2002)


最初のアルバニア人
 ミロシェヴィチ前大統領に対して行われている国際戦犯法廷に18日午後、コソヴォ未来連合(PAA)のマフムト・バカリ Mahmut Bakalli が最初のアルバニア人証人として出廷した。
(BalkanWeb 18.02.2002)


クルバン・バイラム
 バルカン半島はイスラームの断食明け後の最大の祝祭であるクルバン・バイラム Kurban Bajram を迎え、アルバニアやコソヴォの各地で祝宴が催された。コソヴォ民主党(PDK)のハシム・サチ Hashim Thaçi 党首は同祭について「あらゆる人間の寛容と連帯のための神聖な祝典」であるとの声明を出した。
 アルバニアのイスラーム各団体は財政上の理由から、昨年実施した貧困家庭への寄付を今年とりやめた。しかしフィエル Fier では肉100~150グラムが支給され、またエルバサン Elbasan では3500人のムスリムのために朝食が用意された。
(BalkanWeb 21.02.~23.02.2002)


あと二週間で?
 コソヴォ議会のネヂャト・ダツィ Nexhat Daci 議長は21日、ミヒャエル・シュタイナー Michael Steiner 国連コソヴォ行政代表と会見し、未決定のままとなっているコソヴォ政府について、今後二週間以内に選出されるとの見通しを示した。シュタイナーは22日以降、各党党首とも会見予定。
(BalkanWeb 21.02.2002)


マイコ内閣 正式発足
 アルバニア議会は22日、パンデリ・マイコ新首相の組閣案による19閣僚への信任投票を実施し、信任81票、不信任42票でマイコ政権は正式に承認された(140議席中 12名が欠席、2名が棄権、3名が出席しながら投票に参加せず)。同時に同政権の政策案についても投票がおこなわれたが、賛成81票、反対40票だった。
 アルバニアでは深刻なエネルギー不足のため、停電が1日20時間に及ぶ都市もある。民主党は、マイコ政権の政策案ではこの問題を解決できないと主張している。
 なお同日、旅団宮殿 Pallti i Brigadave でレヂェプ・メイダニ Rexhep Meidani 大統領による認証式がおこなわれたが、民主党の指導部が欠席した他、与党である社会党のファトス・ナノ Fatos Nano 党首も招待されなかった。
(AP,ATSH 22.02.2002他)


新民主党 新人事
 新民主党(Partia Demokrate; PDr ゲンツ・ポロ Genc Pollo 党首)の最高決定機関である国民会議 Këshilli Kombëtar がティラナの民族歴史博物館で開催され、副党首にナルド・ンドカ Nard Ndoka、フェルディナンド・ヂャフェリ Ferdinand Xhaferri、トリタン・シェフ Tritan Shehu の3名が、また党幹事長にクレシュニク・チョラク Kreshnik Çollaku が選出された。新民主党は2001年2月に政党登録しており、現在の議会には6議席を有する。
(BalkanWeb 23.02.2002)


コソヴォ政府発足へ(?)
 コソヴォ民主党(PDK)のハシム・サチ Hashim Thaçi 党首は26日のミヒャエル・シュタイナー Michael Steiner 国連コソヴォ行政代表との会談後に記者会見し、三つの主要アルバニア系政党であるコソヴォ民主連盟(LDK)、民主党、コソヴォ未来連合(AAK)との間で自治政府の首脳人事について合意に達したことを明らかにした。民主連盟のイブラヒム・ルゴヴァ Ibrahim Rugova 党首が政府代表(事実上の大統領)に、また民主党からの候補が首相に選出される見通し。
(BalkanWeb 26.02.~27.02.2002)


ミトロヴィツァからハーグへ
 27日のハーグ国際戦犯法廷に、コソヴォ民主連盟(LDK)の活動家で自由・人権擁護委員会(KMDLNj)のミトロヴィツァ支部長を務めるハリト・ベラニ Halit Berani が証人として出廷した。
 ベラニ氏は提出された写真とヴィデオテープを示し、ミトロヴィツァでの活動を理由としてセルビア警察に76回逮捕され、7回拷問を受けたこと、事務所も数回に渡って強制捜査を受け、アルバニア人住民への人権蹂躙を示す証拠書類や、それを公表した委員会の出版物も押収されたことなどを証言した。氏によれば、ツァベル Caber 村には1993年、250人以上の警察官が踏み込み、アルバニア人に暴力行為をはたらいており、氏はみずからその模様を撮影していた。同村は1999年3月、警察に包囲され、完全に焼き払われた。村民14人が射殺され、4人は現在も行方不明。村民は村を放棄せざるを得なかったという。
(BalkanWeb 27.02.2002)


セルビア 死刑を正式廃止
 26日のセルビア議会は死刑の廃止を正式に決定した。殺人および重大犯罪に対する最高刑は40年の有期刑によって代替される。ユーゴスラヴィア連邦議会は既に昨年11月に死刑廃止を決議しており、もう一つの構成共和国であるモンテネグロの議会も同様の決議をおこなっている。
 なおアルバニアを含む周辺のバルカン諸国で死刑はとっくに廃止されており、ユーゴスラヴィアでもこの十年間、死刑は事実上執行されていない。
(BalkanWeb 27.02.2002)


首相人事 固まる
 コソヴォ民主連盟(LDK)のイブラヒム・ルゴヴァ党首は27日、シュタイナーと会見し、来週中に議会を開き、自治政府代表と閣僚を決定できる見込みであることを伝えた。
 また、新政府で首相のポストが確実視されているコソヴォ民主党(PDK)からはバイラム・レヂェピ Bajram Rexhepi 元ミトロヴィツァ地方議会議長が候補に出馬する予定。
(BalkanWeb 27.02.2002)


マルク最後の日
 コソヴォの通貨は今年初めから既にユーロに切り替わっているが、ドイツ・マルクも2月末までは使用できる。そのマルクの流通期限が迫り、27日のプリシュティナ市内各所の両替店には市民の行列ができた。両替商によっては、既にマルクを受け付けないところも見られる。
(BalkanWeb 27.02.2002)


アルバニア系政党 協議機関設立
 マケドニアのテトヴォで27日、アルバニア系政党による協議会(Këshilli Koordinues i Partive Politike të shqiptarëve)が設立された。昨年夏のオフリド合意に拠る諸協約の早期実現と、マケドニアの欧州統合路線の推進を目指す。 協議会は旧・民族解放軍(UÇK)から3名、アルバニア人民主党(PDSH)、民主繁栄党(PPD)、民主国民党(PDK)から各2名の計9名より成る。
(BalkanWeb 27.02.2002)


コソヴォ政府人事 事実上確定
 コソヴォの主要アルバニア系政党による会談は28日午前2時に至って、政府代表(事実上の大統領)にコソヴォ民主連盟(LDK)のイブラヒム・ルゴヴァ党首、首相にコソヴォ民主党(PDK)バイラム・レヂェピ Bajram Rexhepi を選出することで合意に達した。
 また閣僚ポストについても、民主連盟から4名、民主党、コソヴォ未来連盟(AAK)、他の少数民族系政党から各2名が割り当てられることで合意された。
 正式な選出は月曜日の議会でおこなわれる予定。
(RASH/BalkanWeb 28.02.2002)