辞書で単語を調べながら、ドイツ語の(ドイツ語だけってことはまったくないが…)名詞にどうして性があるのだろう?と考えたことはありませんか?
 あるでしょう?
 ありますよね?
 いや、あるはずだ。
 さあ正直に言いなさい!
 うっゲホッゲホッ…失礼。

 世界の多くの言語には名詞にの区別があります1
 ドイツ語の場合、名詞にはかならず男性女性中性のいずれかの性が決まっています2。これがわからないと、冠詞や形容詞の語尾変化が正確に書けません。
 残念ながら、それぞれの名詞の性を日常感覚で類推するのはほとんど無理です。der Vater や die Mutter はむしろ例外と思って下さい。ですから名詞の性はひとつひとつおぼえていくしかない

…ということになっていますが、実は法則らしきものがないわけでもないのです。
 それらの法則をごく簡単にあげておきます。

-ung 、-ei 、-heit 、-keit 、-schaft で終わる名詞は女性

-ion 、-ik 、-tät で終わる名詞は女性

-e で終わる名詞には女性が多い。が男性中性の場合もあるので注意。

-er で終わり、人をあらわす名詞は男性
  これに -in をつけると女性になる。

-chen や -lein で終わる名詞は中性

動詞がそのまま・・・・名詞化したものは中性

動詞が一部変化して名詞化したものには男性が多い。もちろん、そうならない例もあるので注意。

外来語や地名はほとんど中性。が、例外もあるので注意。




 まあドイツ人でも性を間違えることはあります。あせらず、くりかえしおぼえましょう。


1 性 gender ( sex ではない!)の概念について詳しく知りたい人はここを読んでみて下さい。
2 ごく少数ですが、方言によって性が異なるものもあります。また名詞によっては2通りの性があり、間違えるとエライことになる例もあります。
3 der Nachtmantel(夜着)から類推して男性名詞になっているのではないか、と考えられます。ちなみにドイツでは浴衣みたいな「キモノ」がパジャマの一種として売られています。