ドイツ語(初等教育・人間栄養) 2007年度
deutsche Sprache und europäische Kultur
 
Herzlich willkommen zu unserem Sprachkurs für Anfängerinnen! Machen Sie sich's gemütlich!    Wer fremde Sprachen nicht kennt, weiß nichts von seiner eigenen. (Goethe) 外国のことばを知らなければ、自分のことばのこともわからない(ゲーテ)
井浦伊知郎 IURA Ichiro, Ph.D.

Live! 写真をクリックすると München のラジオ(Energy 93.3MHz)がリアルタイムで聴けます

Landshut, Oberbayern(井浦撮影)

⇒ドイツ語1・2(1年次)  ⇒ドイツ語3・4(2年次)


NHKテレビ「ドイツ語会話」 水曜 24:00~24:25(再放送 月曜 6:00~6:25)

ドイツ語1・2

(使用教室) 131教室(1号館3階)


(授業時間)  火曜日7・8 Dienstag 14:50~16:20
s.t.
 ドイツ語1(1年前期) 講義日程
 ドイツ語2(1年後期) 講義日程

(目標と概要)

シラバス完全版〔PDFファイル〕

 ドイツ語の初級文法の学習を通じて、ドイツ語を読み、書き、自分の言いたいことを簡単なドイツ語で話せるようになることを第一に目指す(独検4級相当)。第二にドイツ語だけでなく、最も身近な外国語である英語や、その他の外国語との比較対照により、自分の母語と異なることばへの視点や想像力を見につける。第三にドイツ語を通じてドイツ語圏の国々、さらにヨーロッパの多様な文化に対する知識と視野を広げる。

 あなたは「ドイツ語=ドイツのことば」と思っていませんか?
 ドイツ語はドイツだけでなく、ヨーロッパ大陸で9000万人(ロシア語につぐ第2位)、EU(ヨーロッパ連合)では最も多くの人々が話していることばです。ヨーロッパ以外のドイツ語話者を含めると、その世界使用人口はほぼ1億人で、日本の総人口に匹敵します。英語だけでなくドイツ語(或いはフランス語でも中国語でも)ができるということは、日本の外から情報を得る上で、きわめて強力な手段を持てることを意味します。
 そして異なることばを知る人ほど、自分の母語や他者のことばをより正確に理解し、論理的に考える力を手にすることができます。英語だけが外国語ではないし、アメリカだけが世界ではないのです。

 まったく初めての外国語を学ぶのに、週1回90分の授業だけでは絶対に足りません。毎日30分ずつでも自分の手で書き、声に出して読みましょう(そのために教科書にはCDがついています)。授業や試験の前日に何時間もやるのは長続きしません。少しずつ確実に続けるのが最も効果的です。
 期末試験直前に質問のための時間を作る予定ですが、わからないことは授業中でも沈黙せずに私に質問してください(質問されて気を悪くする教師はいません)。

(教科書)  『レッカー!レッカー!レッカー! おいしく学ぶドイツ語』(CD付)

(郁文堂 2500円+税 ISBN 4 261 01221 7)

(参考書)
 適宜、授業で指示します。ここでは、授業に必要ではないが、事前に読んでおくと面白いかもしれないものを紹介します;
(辞書)
 20~30年前に比べれば、近年の学習独和辞典はどれも親切かつ良質です。書店に置いてあるものならどれを買ってもかまいません。ただし、次の二点にはくれぐれも注意してください;
1. ポケット版辞書など極端に小型のものは、語形変化や用例など学習に必要な情報が載っておらず、初学者には使いこなせません。ある程度学習が進んでから、あるいはドイツ語圏へ旅行する機会ができてからにしましょう。
2. ドイツでは1998年からドイツ語の新正書法(要するに新しいつづり)が採用されています。1998年以降に出版された「新正書法対応」の辞書を使うようにしましょう。時々、両親や親戚の学生時代の辞書を持ってくる人がいますが・・・親御さんには大変申し訳ないのですけれども・・・そんな古い時代の辞書は使えません。ちゃんと新しいものを買ってください。
 ここでは数ある辞書の中から、初級者向けで新しいものをあげておきます。他にも優れた本はあるので、各自が書店で手にとって内容を確認するのが一番です。実物を手にとって、自分に相性の良いものを選びましょう。なお、大学内の紀伊国屋書店ブックセンターで買うと割引があります。
    新アポロン独和辞典(同学社 4000円+税 ISBN 4810200043)
    新アクセス独和辞典(三修社 4000円+税 ISBN 4384000375)
    スタート独和辞典(三修社 3200円+税 ISBN 4384000197)
    エクセル独和辞典(郁文堂 2800円+税 ISBN 4261072610)
    パスポート独和辞典(白水社 2900円+税 ISBN 4560000611)

    パスポート独和・和独小辞典(白水社 2800円+税 ISBN 456000045X)
    身につく独和・和独辞典(三修社 2600円+税 ISBN 4385119651)

(評価方法) 筆記試験


ドイツ語3・4

(使用教室) 232教室(2号館3階 メディア教室)
(授業時間)  火曜日5・6 Dienstag 13:10~14:40 s.t.

 ドイツ語3(2年前期) 講義日程
 ドイツ語4(2年後期) 講義日程

(目標と概要)
 「ドイツ語1・2」の学習内容をふまえ、より実用的な視聴覚教材を用いてドイツ語の知識(独検3級相当)とヨーロッパ文化に対する理解を深める。

 「ドイツ語1・2」で学んだことも復習しながら進めます。1年次でうまくいかなかった人も、気持ちを切り替えて取り組んでください。今年の教科書は、満を持してのDVD付です。自習で活用しましょう。

(教科書)  『ドイツ語の時間 恋するベルリン』(DVD付)

(朝日出版社 2600円+税 ISBN 4 255 25303 9)

(参考書)
 適宜、授業で指示します。ここでは、文法を整理したい人向けに1冊だけ紹介します;

(辞書)  これまでの授業に使用したものでよい。中級以上の学習用としては、次のものがある;

    プログレッシブ独和辞典[第2版](小学館 3800円+税 ISBN 409515022X)
    フロイデ独和辞典(白水社 4000円+税 ISBN 4560000638)
    クラウン独和辞典[第3版](三省堂 4100円+税 ISBN 4385120102)
    新マイスター独和辞典(大修館書店 4200円+税 ISBN 4469012777)
    独和中辞典(研究社 4000円+税 ISBN 4767440203)

    和独辞典は特に必要ないが、買うなら次のものがおすすめ(というより現時点で使いやすいものはこれぐらいしかありません);
    郁文堂和独辞典(郁文堂 3400円+税 ISBN 4261072483)

(評価方法) 筆記試験



前期(Sommersemester)

ドイツ語1
第1講第2講第3講第4講第5講第6講第7講第8講第9講第10講第11講第12講第13講第14講試験


第1講(10.April 2007)
 授業の概要。
①本日授業で紹介した映像は次の通りです(クリックすると各言語の紹介ページが開きます);
  Détective Conan(仏)
  Detektiv Conan(独)
  名偵探柯南(中)(誤記ではありません)
  Le Château de Cagliostro(仏)
  Il Castello di Cagliostro(伊)
  Das Schloss des Cagliostro(独)
  Sailor Moon(独)
  Neon Genesis Evangelion(独)
  Mobile Suit Gundam Seed(独)
  Prinzessin Mononoke(独)

②授業後のアンケート結果は次の通りです(火・水合計);
 1.これまでに学んだ外国語
  英語      30(学校で習ってんだからそりゃ多いでしょう)
  中国語     7(時代の流れを感じます)
  韓国語/朝鮮語 5(上に同じ)
  イタリア語   2
  ドイツ語    1
  ロシア語    1

 2.これから学んでみたい外国語
  イタリア語   15
  ドイツ語    13(ありがとうございます)
  韓国語/朝鮮語 10(時代の流れを感じます)
  中国語     9(上に同じ)
  フランス語   7
  スペイン語   1
  ポルトガル語  1
  ロシア語    1
  他 少数意見(インドの方の言葉 どっかの部族の言葉)


第2講(17.April 2007)
 つづりと発音。英語ほど複雑ではないのでこの一回きりで済みますが、慣れるのには時間がかかります。自分でCDを聴いて、何度も声に出しながら自分の手で書くことで憶えましょう。授業で省略した「月・曜日・季節」は今すぐ憶える必要はありませんが、発音と書く練習に利用してください。
 ちなみにドイツ語の名詞は常に大文字で書き始めます。大文字だからといって固有名詞とは限りません。
 ドイツ語の挨拶。教科書には載っていませんが、ドイツ語の「こんにちは」は地域によって違います;
    Guten Tag!(北ドイツ・標準語)/Grüß Gott!(南ドイツ・オーストリア)/Grüezi(スイス)

 また「さようなら」にも Auf Wiedersehen! の他に、より親しい間柄で使う Tschüs(←話し言葉なので、辞書によって綴りが異なることがあります)、南ドイツの Wiederschaun! や、主にオーストリアで使う Servus(サーヴィス!ではありません)などがあります。


第3講(24.April 2007)
 Lektion 1。動詞の現在人称変化。
 まず基本中の基本;ドイツ語の動詞は語尾が変化します。動詞の原形(辞書に載っている形 正確には不定詞という)は -en で終わっているので、まずこの語尾を取り去り、残った部分に変化語尾をつけます。“kommen”や“lernen”や“trinken”とあれば、それは一旦“komm-”や“lern-”や“trink-”の形にして考えましょう。
    kommen

    語幹ごかん(変化しません) 語尾ごび(変化します)

 授業でも説明した通り、複数形=原形と考えてかまいません(今のところは)。複数2人称 ihr の変化も憶えなくてかまいません(あくまで今のところは)。まずは単数の1人称(ich)・2人称(du)・3人称(er/sie/es 他)についてしっかり憶えましょう。規則変化動詞としてkommen「来る(英 come)」、lernen「学ぶ(英 learn)」、trinken「飲む(英 drink)」の例を書いてみましょう;
ich komme
ich lerne
ich trinke
du kommst
du lernst
du trinkst
er/sie/es kommt
er/sie/es lernt
er/sie/es trinkt

 次の動詞はほぼ規則的ですが、よく見ると2人称や3人称の部分が不規則です。なぜか?規則どおりに変化させると子音の s が重複して(いかにドイツ人でも)発音しにくいからです。このため s を一つ除いたり、母音 e を挿入します;
ich heiße
ich warte
ich finde
du heißt
du arbeitest
du findest
er/sie/es heißt
er/sie/es arbeitest
er/sie/es findet

 明後日の学生大会に関連して、授業で配布したドイツの大学議会の投票用紙はこれ(PDFファイル);


第4講(01.Mai 2007)

 Lektion 1(続き)。
 be動詞(ドイツ語では sein 動詞ですが)がきわめて不規則なのはヨーロッパのどの言語でも同じです。haben も少しだけ不規則です。ひたすら書いて憶えましょう;
ich bin
ich habe
du bist
du hast
er/sie/es ist
er/sie/es hat

Übung 1(S.21)
1. Was ( trinkt ) er gern? Er ( trinkt ) gern Wein.
  彼は何を飲むのが好き?彼はワインが好きだ。
2. ( Arbeitest ) du morgen? Nein, ich ( arbeite ) morgen nicht.
  君は明日働くの?いや、私は明日働かない。
3. Wir ( sind ) schon alt, aber du ( bist ) sehr jung.
  わしらはもう年寄りじゃが、お前さんはたいそう若い。
4. ( Hast ) du Zeit? Ja, ich ( habe ) Zeit.
  ひま?うん、ひま。
5. Alex ( wird ) später Koch.
  アレクスはその後、医者になった。[この場合は過去風に訳してよい]


第5講(08.Mai 2007)
 Lektion 2。
 名詞の性と格。ヨーロッパの言語を学ぶ場合、名詞の性は避けて通れません(英語に見当たらなかったことの方が実は珍しいのです)。「masculine 男性」「feminine 女性」「neuter 中性」の違いは、日常生活でいう「男性」「女性」とは直接関係がありません。スプーン(Löffel)が男性名詞であり、フォーク(Gabel)が女性名詞であり、ナイフ(Messer)が中性名詞であることはこれらの道具の性質とは何の関係もありません(たぶん)。性は冠詞の形でのみ区別するので、冠詞と一緒に一つずつおぼえていきましょう。  教科書では、すべての格変化と、加えて複数形まで出ていますが、いきなり全部を憶えるのは大変です。まずは単数形について、最もよく使われる1格(主語)と4格(直接目的語)の格変化を憶えましょう。といっても変化するのは名詞そのものではなく冠詞ですが。特に男性名詞の4格(目的語)の形に注意してください;

定冠詞(英語の the にあたる)をつけた場合
    
男性名詞
女性名詞
中性名詞
1格
der Löffel
die Gabel
das Messer
4格
den Löffel
die Gabel
das Messer

不定冠詞(英語の a/an にあたる)をつけた場合
    
男性名詞
女性名詞
中性名詞
1格
ein Löffel
eine Gabel
ein Messer
4格
einen Löffel
eine Gabel
ein Messer


第6講(22.Mai 2007)
 Lektion 2(続き)。
 1格と4格に続いて、3格を憶えましょう。2格は今のところ多くは出てきません。

定冠詞(英語の the にあたる)をつけた場合
    
男性名詞
女性名詞
中性名詞
1格
der Löffel
die Gabel
das Messer
4格
den Löffel
die Gabel
das Messer
3格
dem Löffel
der Gabel
dem Messer

不定冠詞(英語の a/an にあたる)をつけた場合
    
男性名詞
女性名詞
中性名詞
1格
ein Löffel
eine Gabel
ein Messer
4格
einen Löffel
eine Gabel
ein Messer
3格
einem Löffel
einer Gabel
einem Messer

 名詞の複数形は…普通に憶えてください、以上。ちなみに、複数形になると性の区別はなくなります。

Übung 1(S.25)
1. Wir rufen die Kellnerin.
  私たちはウェイトレスを呼ぶ。
  Ich bestelle eine Tasse Kaffee.
  私はコーヒーを(カップ)一杯注文する。
  Max bestellt ein× Glas Bier.
  マックスはビールを(コップ)一杯注文する。
2. Der Kellner sagt den Gästen: Guten Appetit!
  ウェイターは客たちに「召し上がれ」と言う。
3. Der Mann zeigt einer Frau den Weg.
  その男は一人の女性に道を教える。
  Die Frau dankt dem Mann herzlich.
  その女性はその(道を教えてくれた)男性に心から感謝する。
4. Ich kenne die Söhne des Lehrers.
  私はその先生の息子たちを知っている。
  Die Söhne sind dem Lehrer ähnlich.
  その(先生の)息子たちはその先生に似ている。


第7講(29.Mai 2007)
 Lektion 3。
 動詞の現在人称変化、不規則なもの(「強変化動詞」)。

①のタイプ

ich fahre
wir fahren
du fährst
Sie fahren
er/sie/es fährt
sie fahren

②のタイプ
ich spreche
wir sprechen
du sprichst
Sie sprechen
er/sie/es spricht
sie sprechen

③のタイプ
ich lese
wir lesen
du liest(×liesst)
Sie lesen
er/sie/es liest
sie lesen

 「不規則」といってもご覧の通り、不規則なのは2人称単数と3人称単数の時だけです。また母音の変化も
 aä
 ei/ie
のパターンしかありません(fahren が du forhst とか sehen が du saht なんて例はありえないってことです)。
 例外は次の wissen で、1人称単数も不規則な上に、3人称単数の語尾もありません;
ich weiß
wir wissen
du weißt
Sie wissen
er/sie/es weiß(×weißt)
sie wissen

また、母音の変化に加えて、発音しやすくするために
 lesen → du liest(×liesst)
 halten → er/sie hält(×hältt)
のように子音が落ちるものや、 nehmen のように子音さえも変わるものがあるので、注意して(教科書巻末の動詞一覧、または辞書でこまめに確認しながら)憶えましょう。


第8講(05.Juni 2007)
 Lektion 3(続き)。数詞(基数詞)。Lektion 4。
 指示代名詞(英語の this や that など)や所有代名詞(英語の my や your など)の語尾変化。といってもこれは冠詞の語尾変化と同じです。

Koste mal die Suppe.(女性・4格)
→Koste mal diese Suppe.

Die Gerichte eines Vaters?(男性・2格)
→Die Gerichte meines Vaters?

 このように、指示代名詞 dieser や diese や dieses の語尾変化は、実は定冠詞 der や die や das とまったく(或いはほとんど)同じです。
 また所有代名詞 mein や dein や Ihr の語尾変化は、不定冠詞 ein や eine とまったく(或いはほとんど)同じです。「私の父」は ein Vater → mein Vater のように考えます。2格以降の eines や einer や einem あるいは einen でも同じことです。ですから、まずは定冠詞と不定冠詞の変化を完璧に憶えましょう。それがすべての基本です。

Übung 1(S.31)
1. Die Verkäuferin trägt eine Brille.
  女性店員はメガネをかけている。
  Der Verkäufer trägt einen Bart.
  男性店員はヒゲを生やしている。
2. Nimmst du Kaffee oder Tee?
  コーヒー、それとも紅茶にする?
  Ich nehme Tee mit Zitrone.
  レモンティーにします。
3. Ich lese eine Zeitschrift.
  私は雑誌を読む。
  Er liest eine Zeitung.
  彼は新聞を読む。
4. Du fährst so schnell.
  運転が早過ぎるよ。
  Max, fahr[e] doch langsam![不規則ではない]
  マクス、ゆっくり走ってくれ。
5. Das Baby schläft hier.
  赤ん坊がここで寝てるのよ。
  Seid mal ruhig, Kinder![ihr に対する命令]
  静かにしなさい子供たち!


第9講(12.Juni 2007)
Etwas spezial... läuft der Film "Schloss des Cagliostro" (deutsche Fassung) !


 
 


第10講(19.Juni 2007)
 Lektion 4(続き)。Lektion 5。人称代名詞の格変化。
 英語でも「私は」が“I”で、「私を/に」が“me”となりますが、ドイツ語でも同じことです。ただし、ドイツ語の場合は変化の数がちと多い。3格と4格が別の形になるからです(英語ではまとめて「目的格」と呼んでいます)。下の表は教科書とは配列が少し違いますが、こちらの方が憶えやすいかもしれません。大文字の Sie と小文字の sie の意味の違いに注意すること;
    [単数]
    1格
    ich
    du
    er
    sie
    es
    3格
    mir
    dir
    ihm
    ihr
    ihm
    4格
    mich
    dich
    ihn
    sie
    es
    [複数]
    1格
    wir
    Sie
    sie
    3格
    uns
    Ihnen
    ihnen
    4格
    uns
    Sie
    sie

 2格はどこ行っちゃったんですかって?ありますが、普通使いません。「私の」や「あなたの」にあたる表現は、すぐ前の課で学んだ「定冠詞類」を使います。
 中性3人称の es は、日本語で訳せない「形式主語」として使われる場合があります。英語の it rains がドイツ語なら es regnet(< regnen )というわけです。
 これら人称代名詞の格がわかれば、次の表現の意味が説明できます。
  Wie geht es Ihnen? / Wie geht's dir?

 主語は es ですが、これは特定の「それ」をさしません。訊ねる相手が3格になっているので、直訳すれば

    「(それはあなたにどんな風に行っていますか?」
     ⇒「あなたはどんな風に[うまく]行っていますか?」
      ⇒「あなたは元気ですか?」
 授業で説明したように、人称代名詞の格変化は日本語の意味と必ずしも一致しません。これは文中の動詞によって決まることが多いので、わからない時は必ず辞書で調べましょう。
    Helfen Sie mir!(helfen+3格)
    「(あなたが)私を助けて!」
    Ich glaube dir.(glauben+3格)
    「私は君を信じよう」

Übung 1(S.37)
1. Dieses Restaurant gefällt manchen Leuten.
  このレストランは人々の気に入っている。
[gefällt < gefallen+3格「~の気に入る」]
2. Das ist nicht meine Jacke, sondern seine Jacke.
  これは私のジャケットではなく、彼のジャケットです。
3. Wem gehört dieser Wagen hier?
  この車は誰のですか?
  Dieser Wagen gehört meinem Freund.
  この車は私の友だちのです。
[gehört < gehören+3格「~に属する、~のものである」]
4. Haben Sie morgen keine Zeit?
  明日ヒマじゃないよね?
  Doch, morgen habe ich viel Zeit.
  いや、超ヒマだよ。
[ doch は否定疑問に対する否定の返事。日本語訳は「いいえ」]
5. Heute ist der Geburtstag meines Mannes.
  今日は私の父の誕生日です。


第11講(26.Juni 2007)
 Lektion 5(続き)。前置詞の用法。
 例えば、「学食[の中]へ(行く)」や「学食[の中]で(食べる)」という表現をする時を考えてみましょう。「学食」は die Mensa で、女性名詞です(ちなみにラテン語の mensa「机」に由来する大学用語です)。前置詞は英語と同じ in ですが、これらの材料でどんな文が作れるかというと;
    Ich gehe in die Mensa. 学食に行く
    (これから学食へ向かう)

    Ich esse in der Mensa. 学食で食べる
    (すでに学食にいる)
前者の die Mensa は(1格でなく)4格、後者の der Mensa は3格の形になっています。このようにドイツ語では、それぞれの前置詞のうしろに置ける名詞の格が決まっているのです。

 どの前置詞がどの格を必要とする(日本のドイツ語教育業界では『格支配』といいます)かは、ひとつひとつおぼえていくしかないのですが、名詞といっしょに実際の文例でおぼえるのが一番です(といっても圧倒的に3格か4格で、2格はごく僅か。1格を使う例は絶対にありません)。
 多くの前置詞は一種類の格しか使えませんが、上にあげた in のように3格と4格の両方を伴うことのできる前置詞もあります。ただし、どちらでも好きなように使っていいわけではなく、意味の違いがあります。教科書に載っている例を見比べてください。

    Sue legt den Löffel auf den Tisch.( in+4格)「彼女はスプーンを机の上に置く」
    (移動の「方向」 これからそこへ動かす)

    Jetzt liegt der Löffel auf dem Tisch.( in+3格)「今、スプーンが机の上にある」
    (「位置」 すでにそこにある 移動完了)

    ちなみに legen は他動詞「~を置く、横たえる」、liegen は自動詞「~がある、横たわる」です。

 授業で作った「大学にバスで行く」という例を考えてみましょう。「バス」は男性名詞 der Bus で、大学は女性名詞 die Uni(Universität の略)です。順々に文を作ってみましょう;

    Ich fahre mit dem Bus.
     バスで行く。
さらに「大学(die Uni)に行く」場合は、「in+4格」か「zu+3格」で、次のようになります。
    Ich fahre in die Uni. または
    Ich fahre zur Uni.
     大学に行く。
zurzuderの融合形です。融合しなくても間違いではありませんが、特に定冠詞の部分を強調したい場合(「(他でもない)その大学へ行くんですよ」など)以外は融合するのが普通ですし、何より融合形を知らないと他人のドイツ語を読む/聴く時に困るので、教科書の表に載っている分だけは憶えましょう。
    Ich fahre mit dem Bus in die Uni. または
    Ich fahre mit dem Bus zur Uni.
     バスで大学に行く。
「バスで」の代わりに「電車で(mit dem Zug)」「自転車で(mit dem Fahrrad)」「飛行機で(mit dem Flugzeug)」「バイクで(mit dem Motorrad)」「徒歩で(zu Fuß 無冠詞!)」などに置き換えることも可能です。

 ドイツ語で学ぶこうした前置詞の用法は、実は(英語以外の)ヨーロッパの言語にはごく普通に見られる現象です。例えば「前置詞+冠詞」の融合もこんな具合です;

    café à le lait → café au lait 「ミルクコーヒー、カフェオレ」(英語で直訳するとcoffee with the milk)
    spaghetti a la carbonara → spaghetti alla carbonara 「スパゲッティ・カルボナーラ」(正しくは「アッラ」が入ります)

(補足)es gibtの用法
 gebenの3人称単数形(不規則変化なので注意!)を用いた es gibt+4格 は「それが~を与える」ではなく、「~がある」という「存在」の表現で使われます。英語でいうThere is...の構文ですが、主語 es は日本語訳にあらわれない形式上の主語です(英語でも学ぶ「形式主語」や「仮主語」といったアレです);

    Es gibt einen Kiosk. キオスクがある。
    ×Es gibt ein Kiosk.
「キオスク」が1格(主語)ではなく4格(目的語)になっていることも大事ですが、もう一つ気をつけて欲しいのは、この構文が実際の文中ではしばしば語順を変えることです(動詞が文要素の2番目でなければならない、という例の規則があるからです);
    Wo gibt es einen Kiosk? キオスクはどこにありますか?
    Hier gibt es einen Kiosk. ここにキオスクがあります。

Übung 1(S.41)
1. Wegen der Krankheit hat sie keine Appetit.
  病気のために彼女は食欲がない。
2. Nach der Vorlesung geht er in die Mensa.
  講義の後で彼は学生食堂に行く。
  In der Mensa isst er mit seinen Freunden zu Mittag.
  学生食堂で彼は友達と一緒に昼食をとる。
 [zu Mittag essen 「昼に食べる」→「昼食をとる」]
3. Mein Vater holt Wein aus dem Keller.
  私の父は地下室からワインを取り出す。

Übung 2(S.41)
1. Ich gehe zu ihr Dann helfe ich ihr beim Kochen.
  私は彼女のところへ行く。そして私は彼女の料理を手伝う。
 [helfen+3格「~を助ける、手伝う」 4格ではないので注意!]
2. Wir loben ihn. Niemand hasst ihn.
  私たちは彼を賞賛する。誰も彼を憎んでいない。
3. Für sie kaufe ich ein Geschenk.
  彼女のために私はプレゼントを買う。


第12講(03.Juli 2007)
 Lektion 6。助動詞の用法。
 ドイツ語の助動詞は、基本的に英語の助動詞と同じような意味を持ち、同じような文法の構造で用いられます(他のヨーロッパの言語もおおむね同様です)。ただし、英語と大きく違う点が二つあります;
 助動詞も人称変化する(しかも原形に比べると極めて不規則)。
 動詞の原形は常に文末(どんなに長い文でも原形動詞は常に文の最後です)
  (文を書き換える時、変化形→原形に戻すのを忘れないように)
    I can play tennis.
    Ich kann Tennis spielen.

    You must learn German.
    Du musst Deutsch lernen.

    dürfen(英 may)> darf  
    können(英 can)> kann
    mögen(英 may)> mag
    müssen(英 must)> muss
    sollen(英 shall)> soll
    wollen(英 will)> will
であることをまずおぼえて下さい。動詞の中にある赤い部分の母音を語幹母音といいます。sollen を除いて、語幹母音が不規則に変化しているので、まずは憶えるしかありません。
 教科書の表を見ればわかるように、1人称と3人称の変化はまったく同じです。あとは du ...st であることを思い出せば単数の人称変化はすぐに作ることができます(複数形が原形と変わらないのは、普通の動詞の場合と同じです)
 英語と似た形の助動詞が多いのですが(もともと同じ言語なのですから当然ですが)、あくまでも形が似ているだけで、意味まで100%同じというわけではありません。訳す際には気をつけてください。特に will は要注意です。まず発音は「ウィル」ではありません。意味も英語の will と異なり、「~だろう」という「未来」の意味で用いられることはありません(「未来」をあらわすのはS.47の werden です)。
 möchten は助動詞 mögen(英 may)の変化した形です。英語の would like to に相当し、丁寧な「~したいのですが」という意味で使います。これだけは普通の動詞とほぼ同じ人称変化をします(でも1人称と3人称はやっぱり同じ形です)。

Übung 1(S.47)
1. Ich will um 6 Uhr frühstücken.
  私は6時に朝食にしたい。
2. Am Montag muss Eri zum Zahnarzt gehen.
  月曜日にエリは歯医者に行かなければならない。
3. Du kannst fließend Deutsch sprechen.
  君は流暢にドイツ語を話すことができるんだね。
4. Er möchte nichts essen.
  彼は何も食べたがらない。
5. Die Frau wird jetzt im Café sein.
  その女性は今頃カフェにいるだろう。


第13講(10.Juli 2007)
 Lektion 7。テーマは二本立てです。
A.分離動詞
 英語にも get up や put off や get along with のように動詞を含む二語以上で特別な意味を持つ熟語があります(こういうのを「群動詞」ともいいます)が、ドイツ語の分離動詞は、[前つづり+動詞本体]が合体した状態で辞書に載っており、実際に使う場合は(授業でマジックペンを使って説明したように)切り離し、決まった配列で使います。
 分離動詞を使って文を書くときは、次の手順に注意しましょう;
①分離した前つづり(an, auf など)を文末に置く。
②残った動詞を主語にあわせて人称変化させる。初心者は、特にこの②を忘れがちなので注意しましょう(不規則動詞の変化形はこの際ちゃんと憶えましょう)。

 ここで普通の文から分離動詞を判別する一例をあげておきます;
 Der Zug fährt nach München ab.

①おや?文末の ab って何だろう?
 Der Zug fährt nach München ab.

②分離動詞かな?とすると、動詞の本体は fährt だから
 Ich fährt nach München ab.

③ということは、分離する前の形は ab + fährt だから
   abfährt

④待てよ?この fährt は、人称変化しているはずだから(主語の der Zug は3人称だから)辞書で調べてみると(調べなくても fährt > fahren は憶えておく必要がありますが);
   ab|fahren「出発する」

B.再帰用法
 たとえば英語でも「私は驚いた」は "I surprised ..." ではなく "I was surprised ..." と受動態で表現します。なぜなら、動詞 surprise は「○○が(何もないのに自分で勝手に)驚く」のではなく「△△が○○を驚かす」という意味の他動詞だからです。つまり、「びっくりする」と自動詞的にするには受動態にする他ないのです。これは interest「○○に興味を起こす」でも同じです。

 また「風邪をひく」と英語で表現する場合、"I catch a cold" ですが、ドイツ語では erkälten 「冷やす(形容詞 kalt から派生した他動詞)」を用いて「自分自身を冷やす」→「風邪をひく」と表現します。

 このように他動詞的な意味しか持たない動詞の場合、「自分自身」にあたる代名詞(再帰代名詞)を目的語にして表現します。たとえば freuen は「△△が○○を喜ばせる」なので、「私は喜ぶ」とか「私はうれしい」は Ich freue. では不充分です(何もないのに自分で勝手に喜びだす人はいません)。「私が(何かの理由によって)私自身を喜ばす」で

    Ich freue mich.

とします。こういう動詞を再帰動詞といいます。以下同様に;
    Du freust dich. 君は喜ぶ
    Er/sie freut sich. 彼/彼は喜ぶ
    Wir freuen uns. 我々は喜ぶ
    Sie freuen sich. あなた[たち]は喜ぶ

 主語が er や sie や Sie の時の再帰代名詞は sich です。ここだけは注意しましょう(だから辞書で再帰動詞を引くと、例文はたいてい sich と共に書かれています。4格の再帰代名詞を必要とするものはsich4、3格なら sich3 です)。
 では動詞 setzen の場合はどうでしょう?なぜならこの動詞は「~を据える、座らせる」という意味の他動詞なので、「~が座る」の意味にするためには、ひと手間かける必要があります。
    ×Ich setze auf den Stuhl.
     私は椅子に据える。(誰を?)
    Ich setze mich auf den Stuhl.
     私は私自身を椅子に据える。→ 私は椅子に座る。
    ※ そんなの面倒くさい!という場合には自動詞 sitzen を使うこともできます(くれぐれも i と e を間違えないこと)。ただしこの動詞は「座る」というよりむしろ「座っている」の意味なので、用法が少々違います。
    Er sitzt am Fenster. 彼は窓際に座っている。
 ドイツ語の「風邪をひく」も上にあげた例と同様です;
    Ich erkälte mich.
    Du erkältest dich.
    Er/sie erkältet sich.
    ......

※ 発展 再帰表現は日本語話者には馴染みにくいかもしれませんが、ヨーロッパの言語ではごく普通の用法で、フランス語やイタリア語やスペイン語ではきわめて頻繁に使われます。この辺りのことばに興味がある人は、よく慣れておく必要があります。たとえば「手を洗う」は;
     (英語)    Peter washes his hands. / Peter washes himself. ピーターは手を洗う。
     (ドイツ語)  Peter wäscht sich die Hände.  ぺーターは手を洗う。
     (フランス語) Pierre se lave les mains. ピエールは手を洗う。
     (イタリア語) Pietro si lava le mani. ピエトロは手を洗う。
     (スペイン語) Pedro se lava las manos. ペドロは手を洗う。
 緑色が動詞「洗う」赤色が再帰代名詞青色が「手(複数形)」です。いずれも直訳すると「彼は彼自身においてその手を洗う」とでも言うしかありませんが、これが普通なのです。

Übung 1(S.51)
1. Er läd mich zum Tee zu sich ein.
  彼は私を(自分の)お茶に誘う。
2. Fährst du mit einem Taxi zurück?
  君はタクシーで帰るの?
  Nein, ich fahre mit der Straßenbahn zurück.
  いや、路面電車で帰るよ。
3. Ich steige jetzt aus dem Zug aus.
  私はもう列車から降りる。

Übung 2(S.51)
1. Die Tochter sorgt sich um die Gesundheit ihres Vaters.
  娘は父親の健康を心配している。
 [ sich4 um~ sorgen「~を心配する」]
2. Ich dusche mich und meine Frau schminkt sich.
  私はシャワーを浴び、妻は化粧する。
 [ sich4 duschen「シャワーを浴びる」 sich4 schminken「化粧する」]
3. Ich stelle mich vor. Ich heiße Eri Tanaka.
  自己紹介します。タナカ・エリです。
 [ sich4 vor|stellen「自己紹介する」]


第14講(17.Juli 2007)
 質問タイム(Sprechstunde)


期末試験 Prüfung(24.Juli 2007)


ドイツ語3
第1講第2講第3講第4講第5講第6講第7講第8講第9講第10講第11講第12講第13講第14講試験


第1講(10.April 2007)
 授業の概要。「ドイツ語1・2」の復習。


第2講(17.April 2007)
 Lektion 1。動詞の現在人称変化。
 まさに1年前の復習。動詞の原形は -en で終わっているので、まずこの語尾を取り去り、残った部分に変化語尾をつけます。“kommen”や“trinken”とあれば、それは一旦“komm-”や“trink-”の形にして考えましょう。
    kommen

    語幹ごかん(変化しません) 語尾ごび(変化します)

 いまだに ×du kommest や ×du kommet などと書いてしまう人はこの際きっちり直しましょう。自分で発音するとき、子音-mm- のあとに母音を挟んでいませんか?カタカナに引きずられて「コメスト」「コメット」彗星?などと言っていませんか?
 CDを聴き、真似して声に出しながら、正しく書き取る練習を繰り返してください。最初に不正確なままで憶えてしまうと、あとで修正するのが難しくなりますよ。

Übungen
[2]
1. Yui, ( kommst ) du aus Japan? Ja, ich ( komme ) aus Japan.
 ユイ、君は日本の出身なの?ええ、私は日本の出身よ。
2. ( Sind ) Sie Amerikanerin, Frau Smith? Nein, ich ( bin ) Engländerin.
 スミスさん、あなたはアメリカ人(女性)ですか?いいえ、私はイギリス人(女性)です。
3. ( Kommt ) Philipp aus Deutschland? Ja, er ( ist ) Deutscher.
 フィリップはドイツ出身ですか?はい、彼はドイツ人です。
4. Nicole ( wohnt ) in Frankreich. Sie ( lernt ) Deutsch.[この sie は前の Nicole を指す「彼女」]
 ニコルはフランスに住んでいる。彼女はドイツ語を習っている。


第3講(24.April 2007)
 Lektion 1(続き)。Lesetext。
 今更ですが、専攻科目のドイツ語名です。「福祉」や「食物・栄養」に関連する学問には、実はいろいろな言い方があるのですが、簡単なものだけにします;
    教育学 Pädagogik/Erziehungswissenschaft
    栄養学 Nahrungsmittelchemie/Trophologie
    福祉学 Sozialarbeit/Sozialhilfe
    ※ 英語でいう social work です。
    心理学 Psychologie
    英語学 Anglistik/日本語学 Japanologie
    ※ 文教の言語学科は事実上「英語科」なので、こう説明する方がいいと思います。
 登場人物が通うベルリン・フンボルト大学は旧・東ベルリン地区にある大学です(1810年創立)。ウェブサイトはこちら;  授業でも説明したように、ドイツでは一都市につき大学(総合大学)は一箇所ぐらいしかありません。しかしベルリンには総合大学がもう一つあります。旧・西ベルリンに設立されたベルリン自由大学です。第二次世界大戦後に上記のフンボルト大が「東」に入っていたため、1948年に新しく作られた大学です;


第4講(01.Mai 2007)

 Lektion 2。名詞の性と格。
 形の変化は昨年度さんざん練習しました。今回は、不定冠詞(ein, eine, ein,...)と定冠詞(der, die, das,...)の使い分けを実際の映像で理解しましょう。特に注目して欲しいのは次の二つ;
    Ich nehme das Schinkenbrot da und den Schokokuchen hier.
    「(目の前にあるもの、指差したものについて)そこにある(その)シンケンブロートと、ここにある(その)チョコケーキをいただきます」
    ※ ein Schinkenbrot und einen Schokokuchen... だと「(店内の品揃えを把握していない、特にどれとは決めていない)シンケンブロートひとつとチョコケーキひとつ」

    Und einen Kaffee bitte!
    「(思いついて)(何でもよい、不特定の)コーヒーもください」
    ※ den Kaffee... だと「(目の前にある)そのコーヒーください」の意味。

Übungen
[1]
1. Was ( kaufen ) Sie? Ich ( kaufe ) ( einen ) Kugelschreiber.
2. ( Kennst ) du ( den ) Roman?
 [昨年度学んだ助動詞 können と混同しないこと。kennen は規則変化動詞]
3. Ich ( brauche ) ( ein ) Wörterbuch.
 [日本語では「辞書が」だが、1格ではない。
  「辞書必要とする」なので4格]
4. Er ( versteht ) ( die ) Sprache.
 [日本語では「その言葉が」だが、この die Sprache は1格ではない。「その言葉理解する」なので4格]


第5講(08.Mai 2007)
 Lektion 2(続き)。Lesetext。

Übungen
[2]
(テレビ)
 Der Fernseher kostet 300 Euro (dreihundert Euro).
(CDプレーヤー)
 Der CD-Spieler kostet 19,95 Euro (neunzehn Euro fünfundneunzig).
(自動車)
 Das Auto kostet 10000 Euro (zehntausend Euro).
(携帯電話)
 Das Handy kostet 41,60 Euro (einundvierzig Euro sechzig).


第6講(22.Mai 2007)
 Lektion 3。動詞の不規則変化。名詞の複数形(ひたすら普通に憶えてください)。

 「~がある」の表現 es gibt ..... ふたたび。注意点は二つ;
①「もの」は主語ではなく目的語なので必ず4格にすること。例えば「コンピュータ(ein Computer)がある」は ×Es gibt ein Computer. ではなく ○Es gibt einen Computer. です。男性名詞では1格と4格の形が違うので、特に注意が必要です(女性名詞や中性名詞は1格と4格の区別がないので、あまり気にしなくてよろしい)。
②現実の文では(『定動詞2位』の原則を守るために)しばしば ...gibt es... となります。
  Es gibt etwa 120.000.000 Einwohner in Japan.       【主語動詞+目的語+副詞
  「約1億2千万の住民が日本にあります」→「日本の人口は約1億2千万です」
  In Japan gibt es etwa 120.000.000 Einwohner. 【副詞動詞主語+目的語】
  「日本には約1億2千万の住民があります」(同上)

Übungen
[2]
1. Die Studentin ( schläft ) immer nur fünf Stunden.
 その女子学生はいつも5時間しか寝ない。
2. Philipp ( liest ) gern Kriminalgeschichten.
 フィリップは推理小説を読むのが好きだ。
3. Frank ( fährt ) morgen nach Berlin.
 フランクは明日ベルリンへ行く。
4. Er ( nimmt ) den Zug um acht Uhr.
 彼は8時に列車に乗る。
5. Was (isst ) du gerne?
 何を食べるのが好き?

(参考)のぞいてみよう;


第7講(29.Mai 2007)
 Lektion 3(続き)。Lesetext。

Übungen
[1]
(参考に、それぞれのオリジナル言語の訳をつけておきます)
1. Csilla spricht Ungarisch.
 (Csilla beszél magyarul.)
 チラはハンガリー語を話す。
2. Francesca spricht Italienisch.
 (Francesca parla in italiano.)
 フランチェスカはイタリア語を話す。
3. Wolfgang spricht Deutsch.
 ヴォルフガングはドイツ語を話す。
4. Nicole spricht Französisch.
 (Nicole parle français.)
 ニコルはフランス語を話す。


第8講(05.Juni 2007)
 Lektion 4。前置詞の格支配。
 既に学習したように、ドイツ語で前置詞を使う時は、そのうしろに来る語の「格」が決まっています。ほとんどは3格か4格で、2格が少々。前置詞のうしろにそのまま1格がくることは絶対ありません
 3格と4格のどちらも使える前置詞には、意味の違いがあります。うしろの名詞だけでなく、文全体(特に動詞)の意味で判別するようにしましょう;
    Ich bin in der Mensa.( in+3格)「私は(既に)学食(の中)にいる」
    (「位置」 すでにそこにいる 移動完了)

    Ich gehe in die Park.( in+4格)「私は学食(の中)へ(入って)行く」
    (移動の「方向」 これからそこへ向かう)
 従って Ich esse in... とくれば「既に学食にいて、そこで食べている」のですから、続きは3格、つまり ... der Mensa.です。
 また warten auf+4格「~を待っている」のように、意味に関係なく(実は全くないこともないのですが)動詞と前置詞との組み合わせが決まっているものもあります(英語でいえば wait for+目的語)。

Übungen
[1](解答例)
1. Ich fahre zur Uni mit dem Bus.
 私は大学にバスで行く。
2. Er kommt aus dem Haus.
 彼は家(の中)から出てきた。
3. Sie lernt Englisch ohne den Lehrer.
 彼女は教師なしで英語を勉強する。
4. Ich habe dieses Buch seit einer Woche gelesen.
 この本を一週間前から読んでいる。[現在形でもよい]
5. Ich gehe heute in die Stadt.
 私は今日町に行く

(参考)のぞいてみよう;


第9講(12.Juni 2007)
Im Zimmer 232 läuft der "Das Schloss im Himmel"...... "Eureka Seven" dazu (natürlich in deutscher Fassung)!


第10講(19.Juni 2007)
 Lektion 4(続き)。Lesetext。
 文中の「前置詞+名詞句」を列挙します;
    an der Humboldt-Universität( an+女性3格)「フンボルト大学に」
    im Studentenwohnheim( in+中性3格)「学生寮に」
    in der Potsdamer Straße( in+女性3格)「ポツダム通りに」
    von der Uni( von+女性3格)「大学から」
    mit dem Bus zur Uni( mit+男性3格,zu+女性3格)「バスで大学へ」
    zu Fuß( zu+男性3格 無冠詞)「徒歩で」(慣用句)
    in der Stadt( in+女性3格)「町で」
    in Berlin( in+3格 無冠詞)「ベルリンに」

Übungen
[3]
1. Yui isst viel Gemüse, weil das gesund ist.
 ユイが野菜をたくさん食べるのは、それが身体にいいからだ。
2. Ich weiß nicht, ob er heute zur Uni kommt.
 彼が今日大学に来るかどうかは知りません。
3. Sie sagt, dass die Kinder gegen Mittag nach Hause kommen.
 彼女は、子供たちが昼ごろにはうちに帰ってくると言っている。
4. Obwohl er Hausaufgaben hat, spielt er mit dem Computer.
 彼は宿題があるにもかかわらず、コンピュータで遊んでいる。[後半も動詞が移動していることに注意!]


第11講(26.Juni 2007)
 Lektion 5。人称代名詞と再帰代名詞の用法。
 人称代名詞の格変化は既に学びました。念のため表を載せておきます;
    [単数]
    1格
    ich
    du
    er
    sie
    es
    3格
    mir
    dir
    ihm
    ihr
    ihm
    4格
    mich
    dich
    ihn
    sie
    es

    [複数]

    1格
    wir
    Sie
    sie
    3格
    uns
    Ihnen
    ihnen
    4格
    uns
    Sie
    sie
では、これが実際にどのように使われているのか、会話中から抜き出してみましょう;
    Was fehlt Ihnen denn?
    「何があなたに欠けているのか?」→「どうかしましたか?」

    Der Magen tut mir besonders weh.
    weh tun「痛くする」で、直訳は「胃が私に痛いことをする」。
    少々まわりくどいようにも見えますが、英語で「彼の手を取る」を take him by hand と表現するのと同様です( take his hand は「手」に特に焦点が当たっている場合のみで、普通は言わない)。

    Legen Sie sich bitte auf die Liege.
    sich legen「自身を横たえる」→「横になる」(liegen)
    英語の lie(自動詞)- lay(他動詞)の関係と同様です(もっとも英語で lay oneself とはおそらく言いませんが)。

    Ich verordne Ihnen Medikamente.
    「あなたに薬を処方します」

 今回の会話には、医学用語が少しだけ出てきます。ギリシア語やラテン語に由来する語、また複合語が多いので、分解して意味を考えてみてください;
    Schleimhaut < Schleim(粘)+Haut(皮、膜)
    Gastritis < Gastr-(胃)+-itis(炎症)
    (例)Gastrologie「胃腸学」 Gastronomie「料理法、食通」 Häpatitis「肝炎」

Übungen
[1]
1. Ich gehe mit ihr zu ihm.
 私は彼女(学生)を連れて彼(先生)のところに行く。
2. Ihm gefällt es sehr gut.
 彼(フィリップ)はそれ(写真)が気に入っている。
要注意! gefallen+3格「~の気に入る」の構文で、「写真」が主語になっている。従って Philipp は3格であり、主語ではない]
3. Sie gibt ihm ihn.
 彼女(先生)は その子に それ(ボールペン)をあげる。


第12講(03.Juli 2007)
 Lektion 5(続き)。Lesetext。
 この文中に出てくる再帰動詞は二つだけです;
    sich4 fühlen  感じる
    sich4 erkälten 風邪をひく(< kalt「寒い」)

wenn es einem schlecht geht は、接続詞 wenn がなければ es geht einem schlecht ですが、この es geht は Wie geht es Ihnen? の場合の es geht と同じです。 einem は「ひとつ」ではなく man の3格、つまり漠然とした「ひと」の3格です。なぜ3格になっているのかというと、それは Ihnen が Sie の3格であることと同様です(という説明でわからない場合は、私に質問して下さい)。
 この他にも das heißt(d.h.)「つまり、すなわち」や egal「同じだ、どうでもいい」など、よく使う表現が含まれています。

Übungen
[2]
1. Ich interessiere ( mich ) für die Umweltpolitik.
 私はドイツの環境政策に興味がある。
2. Wir freuen ( uns ) auf die Sommerferien.
 私たちは夏休みを楽しみにしている。
3. Erinnerst du ( dich ) noch an den Professor?
 君はまだあの先生を憶えているかい?
[3]
1. Der Titel des Buches ist "Die Verwandlung".
 この本の題名は(フランツ・カフカの)『変身』です。
2. Der Vater des Kindes ist groß.
 その子供の父親は背が高い。
3. Die Tür des Hauses ist kaputt.
 あの家の扉は壊れている。


第13講(10.Juli 2007)
 Lektion 6。(Lesetext 省略)
 冠詞類。不定冠詞 kein の語尾変化も含めて既に1年次に学んだ通りです。そもそも冠詞とほぼ同じ語尾変化をするのですから、苦手な人は定冠詞 der と不定冠詞 ein の変化をもう一度復習すること。頻度の高いもの(特に1格と4格)から先におぼえるのが効率的です。会話中の用法を抜き出しておきます;
 ...mit deinem Magen?(男性・3格)
 Ich habe jetzt keine Zeit.(女性・4格)
 Meine Dusche ist kaputt.(女性・1格)
 Die Dusche in meinem Zimmer ist...(中性・3格)
 Ich gehe mal hoch und prüfe Ihre Dusche.(女性・4格)

 最初のフィリップのセリフでは、「ひと」が3格、その身体部位が前置詞 mit と共に用いられています。

    Wie geht es dir? (君は)どう?
    Wie geht es dir mit deinem Magen? (君の)胃はどう?
よく似た構文に Was ist los mit dir?「(君)どうかしたの?」などがあります。

Übungen
[1][省略]

[2]
1. Ich schenke meiner Tochter dieses Buch zum Geburtstag.
 私は娘の誕生日に本を贈る。
2. Jedes Kind kennt dieses Märchen.
 どの子もこのお話を知っている。
3. Welchen Tag haben wir heute? Heute ist Dienstag.
 今日は何日?火曜日です。
4. An diesem Wochenende geht Sabine mit ihrem Freund ins Kino.
 今週末ザビーネは彼氏と映画に行く。


第14講(17.Juli 2007)
 質問タイム(Sprechstunde)


期末試験 Prüfung(24.Juli 2007)



後期(Wintersemester)

ドイツ語2
第1講第2講第3講第4講第5講第6講第7講第8講第9講第10講第11講第12講第13講第14講試験


第1講(25.September 2007)
 後期授業の概要。前期の反省(?)。


第2講(02.Oktober 2007)
 Lektion 8。形容詞の語尾変化。
 授業でもさんざん申し上げましたが、形容詞の語尾変化は、冠詞の語尾変化を土台にして作ります。だから、まず定冠詞/不定冠詞の性・数・格変化が身についていなければなかなか憶えられません。自信がない人は基本に戻って復習しましょう。まだ間に合います。では、授業で紹介したイタリア語の形容詞をもう少し(フランス語も似たような変化/スペイン語はもっとわかりやすい変化をします);
    男性名詞 formaggio parmigiano「パルメザン・チーズ」(名詞+形容詞)
         il popolo italiano「イタリア人民」(定冠詞+名詞+形容詞)
    女性名詞 la lingua italiana「イタリア語」(定冠詞+名詞+形容詞)
         acqua minerale「ミネラルウォータ」(名詞+形容詞)

 ドイツ語の形容詞の格変化について、より詳しくはこちら(←クリックしてね)をご覧ください。形容詞の名詞化については次回。




9.Oktober ― 40.Todestag Che Guevara


第3講(16.Oktober 2007)
 Lektion 8(続き)。形容詞の名詞化。
 例えば英語で the rich といえば、「金持ち(なこと)」ではなく「金持ち(の人)」です。これはなぜでしょう?ドイツ語を学ぶと、その理屈が分かります。
 形容詞 reich(英 rich)と名詞 Mann(英 man)と、定冠詞 der の組み合わせで考えてみましょう。これは前回学んだ表と同じです;
    1格 der reiche Mann
    2格 des reichen Mannes
    3格 dem reichen Mann
    4格 den reichen Mann
 ここで、文脈から「男性」であることが明らかな場合、名詞 Mann を省略して、形容詞に名詞の役割を担わせることができます;
    1格 der Reiche
    2格 des Reichen
    3格 dem Reichen
    4格 den Reichen
 これによって Der Reiche ist...「その金持ちは…」のような文を作ることができます。もちろん、不定冠詞 ein を使って Ein Reicher...とすることも可能ですし、「金持ちの女」なら die Frau を用いて die reiche Frau → die Reiche とすることもできるのです(教科書の表を見ながらやってみましょう)。というわけで、授業でお話しした「銭形のとっつぁん」は der alte Mann → der Alte(または ein alter Mann → ein Alter)になるわけです。次にあげる練習問題では、「親戚」と「病人」がこの例に該当します。

Übung 1(S.57)
1. Die nette Empfangsdame hat blondes Haar und grüne Augen.
  その素敵な受付嬢はブロンドの髪と緑の眼(複数形)をしている
2. Wem gehört dieser schwarze Mantel?
  この黒いコートは誰のですか?
  Er gehört der jungen Frau dort.
  それはあそこにいる若い女性のものです。
3. Ich schreibe meiner Verwandten einen langen Brief.
  私は自分の親戚に長い手紙を書く。
  [ der/die Verwandte「親戚」 < verwandt(形)「血縁の、近縁の」]
4. Die Krankenschwester kümmert sich um den Kranken, denn er hat hohes Fieber.
  看護婦はその病人のことが心配だった。高熱があったからだ。
  [ der/die Kranke < krank(形) hoh- < hoch「高い」(不規則変化に注意!) kümmern sich um+4格「~のことを気にかける」]
(おまけ)Er hat etwas sehr Wertvolles gestohlen…Ihr Herz!
    [形容詞 wertvoll → ein wertvolles Ding → ein Wertvolles と中性名詞化している ]


第4講(23.Oktober 2007)
 Lektion 9。過去形と過去分詞。
 ドイツ語の動詞の過去形は二つの点で英語と同じです;

  ①規則変化動詞の過去形は「語幹-te
  ②不規則なものもある

 英語と違うのは次の二点;
  ③英語ほど頻繁には使われない:特に会話の場合
  (ドイツ語では『過去』を現在完了形であらわすことが多い。詳しくは Lektion 9 で学びます)
  ④現在形と同様、人称変化する

 ④で「えー変化するのかよ」と思ったそこのあなた、それはとんだおかどちがいです。もともと英語だって動詞の過去形は人称変化していました(見方を変えれば、ヨーロッパの言語の中で現代英語が突出して単純化しているのです)し、そもそも過去形の人称変化は現在形のそれより簡単です;

lernen → lern- → lernte 【英語 learn → learned ※イギリス英語では learnt

現在形 過去形
ich
lerne lernte
du
lernst lerntest
er/sie/es
lernt lernte
wir/Sie/sie
lernen lernten

 ご覧の通り、過去形の1人称と3人称にはあらためて語尾をつける必要がありません。
 不規則変化の例もいくつかあげておきましょう;

kommen → kam 【変わっているのは語幹母音 -a- 。英語 come → came 】

現在形 過去形
ich
komme kam
du
kommst kamst
er/sie/es
kommt kam
wir/Sie/sie
kommen kamen

fahren → fuhr 【変わっているのは語幹母音 -a- 】

現在形 過去形
ich
fahre fuhr
du
fährst 【×fahrst】 fuhrst
er/sie/es
fährt 【×fahrt】 fuhr
wir/Sie/sie
fahren fuhren

sein → war 【英語 was または were 】

現在形 過去形
ich
bin war
du
bist warst
er/sie/es
ist war
wir/Sie/sie
sind waren

haben → hatte 【 habte ではない。英語 have → had 】

現在形 過去形
ich
habe hatte
du
hast 【×habst】 hattest
er/sie/es
hat 【×habt】 hatte
wir/Sie/sie
haben hatten

 ちなみに、授業でもちらりと説明しましたが、英語 go の過去形が went という思いっきり不規則な形になるのは、went がもともと別の動詞 wend(進む、行く)の過去形だからです。この went が本来の go の過去形にとってかわり、一方で現在形 wend が go にとってかわられたのです。詳しくは、「英語史」を専門とする先生に聞いてみましょう(文教にいるかな)。

 一方、ドイツ語の動詞の過去分詞はいろんな点で英語のそれと同じです。つまり;
  ①「完了」と「受動態」の文をつくるのに使う(次回以降学びます)
  ②規則変化動詞の過去分詞は「ge-語幹-t
  ③案の定、不規則なものもある

     lernen → gelernt[規則変化]
     kommen → gekommen[やや規則変化]
     fahren → gefahren[やや規則変化]
     schlafen → geschlafen[やや規則変化]
     stehen → gestanden[不規則変化、ただし英語で見たような形]
     sein → gewesen[まるっきり不規則]
     haben → gehabt[規則変化]

 ところで、分離動詞 aufstehen や einschlafen の場合はどうなるかというと;

    auf|stehen → auf|gestanden
    ein|schlafen → ein|geschlafen

とこのように、-ge- が分離動詞の中に入ります。
 ただし studieren や telefonieren など、語尾が -ieren で終わる動詞は過去分詞に ge- がつきません。これらは(ギリシア語やラテン語由来の)外来語であることがほとんどですが、最初は区別がつかないので普通に憶えましょう;
    studieren → studiert
    telefonieren → telefoniert

 また、besuchen や besichtigen は過去分詞になっても、頭に ge- がつきません。こういう動詞にはいくつか種類があるのですが、今は普通にひとつひとつ憶えてください。教科書巻末の表に載っていない動詞は「ge-----t」の形で過去分詞を作ることができます。しかし最初は不規則なものが出てくる方が多いので、きちんと書いて憶えましょう(中高生の英語と同じ努力が必要です)。
 実際の過去形と過去分詞の用法は次回で学びます。後半はこれ↓

...zwar Ihr Herz!「あなたの心です」


第5講(30.Oktober 2007)
 Lektion 10。現在完了。 ドイツ語の動詞の過去分詞はあらゆる点で英語のそれと同じです。つまり;
  ①「完了」と「受動態」の文をつくるのに使う
  ②規則変化動詞の過去分詞は「ge-語幹-t
  ③不規則なものもある

 英語の現在完了は「have+過去分詞」ですが、ドイツ語でもたいてい・・・・haben過去分詞」です。

    Ich lerne Deutsch gestern in der Uni.
    → Ich habe Deutsch gestern in der Uni gelernt.
    「私は昨日、大学でドイツ語を習った」

 語順に注意してください。動詞の過去分詞は常に文末です。どんなに文が長くなっても、これは変わりません(ある意味、日本語みたいな語順になっていることにお気付きでしょうか)。
 ところで、なぜ「たいてい・・・・」なのか?実は、次のような動詞では「sein過去分詞」だからです。
     sein( > gewesen )
     gehen( > gegangen )
     kommen( > gekommen )
     fahren( > gefahren )
     steigen( > gestiegen )
     .....
    Ich fahre nach Tokyo mit dem Zug.
    → Ich bin nach Tokyo mit dem Zug gefahren.
    「私は東京へ列車で行った」

とこのように「移動」「変化」「状態」などをあらわす基本動詞では haben を使いません。実際の使用頻度が高い(しかも過去形・過去分詞の変化はどれも不規則な)ものばかりです。例文で使いながらおぼえましょう。
 なお、ドイツ語では過去のできごとをあらわすのに過去形でなく現在完了形を用いる傾向があります( sein や haben や助動詞は、過去形の方が好まれます)。
 会話を身につけたい人は、まず完了形(というか過去分詞形)をおぼえましょう。あと、haben と sein も人称変化するので忘れないように。

あらためて、現在完了形のポイントを二つ、いや三つ;
①過去分詞は常に文末
②いつも haben過去分詞とは限らない。sein過去分詞の場合もある。

③haben や sein の人称変化も忘れずに!

Übung 1(S.63)
1. Ich lachte laut und du lachtest auch laut.
  私が笑い、君も大声で笑った。
 Wir lachten zusammen viel.
  私たちは一緒に大笑いした。
2. Warst du schon einmal in Deutschland?
  君はドイツに行ったことがあるかい?
 Nein, ich hatte keine Gelegenheit.
  いいえ、機会がなかったんです。
3. Max gang gestern in die Kneipe.
  マクスは昨日、酒場に行った。
 Er wollte viel trinken.
  彼はたくさん飲みたかった。
 Zuerst bestellte er einen Krug Bier.
  まず彼はビールを一杯注文した。
4. Während die Frau kochte, las ihr Mann einen Kriminalroman.
  妻が料理をしている間、(彼女の)夫は推理小説を読んでいた。
  [動詞の語順に注意!文の二番目になっていない]
5. Zu Hause gaben wir eine Party.
  家で私たちはパーティをした。[ Party gebenパーティをする]
 Eri brachte uns eine Flasche Sekt mit.
  エリが私たちにボトルのシャンパンを持ってきてくれた。

Übung 1(S.67)
1. Zum Frühstück habe ich Brötchen gegessen.
  朝食に私はパンを食べた。
 Dazu habe ich eine Tasse Tee getrunken.
  それから紅茶を一杯飲んだ。
 Dazu bin ich zur Schule gegangen.
  それから学校に行った。[ zur / in die Schule gehen学校に行く]
2. Wir haben Anna besucht.[×gebesucht]
  私たちはアナを訪ねた。
 Anna hat Spagetti für uns gekocht.
  アナはスパゲッティを私たちのために茹でてくれた。
3. Meine Eltern sind in Urlaub gefahren.
  私の両親は休暇に行った。
 Aber ich bin zu Haus geblieben.
  でも私は家にいた。
4. Was hast du in den Ferien gemacht?
  君は休暇中に何をしていたの?
 Ich bin nach Spanien gereist.
  私はスペインに旅行していました。
5. Mein Sohn ist sofort eingeschlafen.[×geeinschlafen]
  私の息子はすぐ眠ってしまった。
 Er hat fest geschlafen.
  彼はぐっすり眠っていた。
  [ schlafenはhaben動詞だが、分離動詞ein|schlafenはsein動詞]


第6講(06.November 2007)
 Lektion 11。形容詞の比較級と最上級。

 形容詞の比較級と最上級の作り方は英語と同じです。不規則なものがある点も英語と同じです。ただし、これらも形容詞であることに変わりはないので、うしろにくる名詞に合わせて語尾変化します。形容詞自体が名詞化する点も同様です。詳しくは教科書S.55~57またはここ或いはここで復習すること。
 最上級の am ____sten は固定された形で頻繁に用いられます。おぼえておくと便利でしょう。ちなみに am=an+dem です、念のため。

Übung 1(S.73)
1. Meine Mutter kocht besser als ich.
  母は私より料理が上手い。
2. Eri ist fleißiger als du.
  Sie ist am fleißigsten in unserer Klasse.
  エリは君より勤勉だ。彼女はクラスで一番勤勉だ。
3. Seine Schwester hat ein neueres Auto als er.
  彼の姉/妹は彼[の自動車]よりも新しい自動車を持っている。
4. Es regnet immer stärker.
  雨はますます強くなる。


第7講(13.November 2007)
 Lektion 11(続き)。zu不定詞の用法。
 基本的な意味は英語のto不定詞と同じです。「~すること」や「~するため」と訳すのも英語と同様です(常にそれでうまくいくわけではありませんが)。違うのは次の二点;
①「zu+原形」は句全体の最後・・・要するに文末。その結果、主な動詞が文末に移動するため(あくまでも偶然だが)語順が日本語のそれに近くなる。なお、分離動詞の場合は前つづりと動詞本体の間に zu が入る(einnehmen > einzunehmen)。
②主節と不定詞句をコンマ( , )で区切る。これは読む分には便利です(どんな文でも区切るわけではありません)。
    Ich fahre nach Deutschland in die Zukunft.
    将来ドイツへ行く
            ↓
    Ich habe Lust, nach Deutschland in die Zukunft zu fahren.
    将来ドイツへ行くための)気分がある」

    Ich lerne Deutsch, um nach Deutschland in die Zukunft zu fahren.
    将来ドイツへ行くためにドイツ語を習う」(目的)

Übung 2(S.73)
1. Er hat den Plan, nach Italien zu fliegen.
2. Er ist nach Italien geflogen, ohne uns ein Wort zu sagen.


第8講(20.November 2007)

"Wer bist du? Ein schwarzer Rußkobold?"


第9講(27.November 2007)
 Lektion 12。関係代名詞。

(A) Der Mann ist ihr Onkel. その男性は彼女のおじです。
(B) Der Mann spricht mit Anna. その男性は(1格)アナと話している。

(A)と(B)をつなげて(或いは(A)の中に(B)を埋め込んで) 「[アナと話している]その男性は彼女のおじです」 としたい場合、ドイツ語では次のようにします;
①修飾節になる(B)の文から、(A)と重複する語を削る。ただし冠詞だけは残す。これが関係代名詞になります;
 der Mann spricht mit Anna
   ↓
②その関係代名詞を先頭に移動させる(この場合は最初から先頭ですが);
 der spricht mit Anna
   ↓
③動詞 spricht を文末に移動させる(何だかドイツ語ではよくある話ですね);
 der mit Anna spricht
   ↓
④これで修飾節(関係節)は完成したので、そのまま先行詞となる(A)の der Mann のすぐうしろの場所に挿入する;
 Der Mann, der mit Anna spricht, ist ihr Onkel.
この時、先行詞と関係節はコンマで区切ります。


 もう一つ、今度は名詞の「格」を変えて練習してみましょう;

(A) Der Mann ist ihr Onkel. その男性は彼女のおじです。
(B) Du hast den Mann gestern gesehen. 君はその男性を(4格)昨日見た(現在完了)。

では (A)と(B)をつなげて 「[君が昨日見た]その男性は彼女のおじです」 という意味の文にしましょう;
①修飾節になる(B)の文から、(A)と重複する語を削る。ただし冠詞だけは残す。これが関係代名詞になります;
 du hast den Mann gestern gesehen
   ↓
②その関係代名詞を先頭に移動させる;
 den du hast gestern gesehen
   ↓
③動詞 hast を文末に移動させる(過去分詞 gesehen を移動させないこと!);
 den du gestern gesehen hast
   ↓
④これで修飾節(関係節)は完成したので、そのまま先行詞となる(A)の der Mann のすぐうしろの場所に挿入する;
 Der Mann, den du gestern gesehen hast, ist ihr Onkel.
先行詞と関係節をコンマで区切って、出来上がりです。

 関係代名詞で導かれる文節(関係節、或いは修飾節)を文の中に埋め込む構造は英語と同じですが、次の点で英語と大きく異なります;

    ①定冠詞が[2格の場合を除いて]そのまま関係代名詞になる。英語のように疑問詞( who や which )を使わない(ただし後述④参照)。
    ②関係節内では動詞は文末
    ③関係節はコンマで区切るので、読解する分には英語の長文より読みやすい。
    さらにもう一つ;
    ④先行詞を必要としない関係代名詞がある。これは「不定関係代名詞」と呼ばれ、疑問代名詞をそのまま使います(英語の whoever や whatever あるいは「光るものが金とは限らない」的な例文で、似た用法を習っているはずです)。教科書S.74「Schlüssel」の後半2つの例文がそれにあたります。

Übung 1(S.77)
1. Kennst du die Frau, die auf der Bank am Brunnen sitzt?
  噴水のそばのベンチに座ってる女性を知ってるかね?
2. Kennst du die Frau, der er geholfen hat?
  彼が助けた女性を知ってるかね?[ helfen+3格 「~を助ける、手伝う」]
3. Der Mann, den ich liebe, kocht gern.
  私の好きな男性は料理好きです。
4. Der Mann, dessen Tochter Ärztin ist, ist immer stolz auf sie.
  娘が医者だというその男は、いつも娘のことを誇りにしている。
5. Der Junge, mit dem ich heute Fußball spiele, heißt Leon.
  私が今日いっしょにサッカーをした少年は、名前をレオンという。[前置詞+関係代名詞]
6. Wer viel Geld hat, ist nicht immer glücklich.
  金持ちが幸せとは限らない。
7. Es gibt hier nichts, was ich nicht essen kann.
  ここには、私が食べ[ら]れるものが何もない。


第10講(04.Dezember 2007)
 Lektion 13。①受動態。
 英語の受動態(受け身形)は「be+過去分詞」ですが、ドイツ語では基本的に「werden+過去分詞」です。werdenの人称変化は若干不規則なので、教科書の表で再度確認すること。
    People speak German in Austria.
    「(人々は)オーストリアではドイツ語を話す
    →German is spoken in Austria.
     「ドイツ語はオーストリアで話される」( spoken < speak )

    Man spricht Deutsch in Österreich.
    「(人は)オーストリアではドイツ語を話す
    →Deutsch ist in Österreich gesprochen.
     「ドイツ語はオーストリアで話される」( gesprochen < sprechen )

    Der Laden wird um 10 Uhr geöffnet.
    「お店は10時に開店します」( geöffnet < öffnen『開ける』)

    受動態 werde/wirst/wird/werden ...... 過去分詞

    「~される」

 ちなみに、英語と同じ感覚で「sein+過去分詞」にすると、少々意味が変わります;
    Der Laden ist von 10 bis 20 Uhr geöffnet.
    「お店は10時から20時まで開店しています」(状態受動

    状態受動 bin/bist/ist/sind ...... 過去分詞

    「~されている」

 ②動詞の現在分詞。英語では動詞を -ing 形にすれば crying baby のように名詞を修飾する形容詞のように使うことができます(cry baby じゃダメなわけですよ英語は)。こうした「形容詞化した動詞」を「分詞」といいますが、ドイツ語では 原形+d で現在分詞になります。教科書の Die Kinder sind lachend gekommen.「子供たちが笑いながらやってきた」ではそのままですが、名詞 Kinder を修飾して「笑っている子供たちが」としたい場合は die lachenden Kinder です。この理由がわからない人は、Lektion 8 を復習しましょう。

Übung 1(S.83)
1. In Östrereich wird Deutsch gesprochen.
  オーストリアではドイツ語が話されている。
2. Der Unterricht wird durch den Lärm gestört.
  授業が騒音で邪魔される。
3. Der Mikrowellenherd wird vom Ingenieur repariert.
  電子レンジは技師に直してもらった。
4. Eri wird vom Studenten zum Tee eingeladen.
  エリはその学生にお茶に誘われた。[ Studenten は Student の3格]
5. Sonntags wird nicht gearbeitet.
  日曜日は働かない。[主語がない文ですが、ドイツ語では可能です]


第11講(11.Dezember 2007)
 Lektion 13(続き)。


第12講(18.Dezember 2007)
Heute möchte ich Ihnen einen köstlichen Christstollen und einen spannenden Film(↓) anbieten.
Komm mit etwas zu trinken!


der Christstollen(量産型 ジュピター・シャレオ店とかで売ってます)

Fröhliche Weihnachten und ein Glückliches Neues Jahr!
Froue Weihnachdn und a Froos Neis Jōr!
¡Feliz Navidad y Próspero Año Nuevo!
Joyeux Noël et Bonne Année!
Noeliniz ve Yeni yılınız kutlu olsun!/Kurban Bayramınız kutlu olsun!
Поздравляю вас с рождеством/с Новым годом!
圣诞节乐!/新年好
Ĝojan Kristonaskon kaj feliĉan novjaron!
annum novum faustum felicem!

[上から 標準ドイツ語、バイエルン方言、スペイン語、フランス語、トルコ語、ロシア語、中国語、エスペラント、そしてラテン語]


第13講(08.Januar 2008)
 


第14講(15.Januar 2008)
 質問タイム(Sprechstunde)


期末試験 Prüfung(22.Januar 2008)


ドイツ語4
第1講第2講第3講第4講第5講第6講第7講第8講第9講第10講第11講第12講第13講第14講試験


第1講(25.September 2007)
 後期授業の概要。


第2講(02.Oktober 2007)
 Lektion 7。zu不定詞と分離動詞。
 これもまた1年前の復習。zu不定詞句の基本的な意味は英語のto+不定詞と同じですが次の2点が決定的に違います;
①[zu+原形]は句全体の最後。その結果(偶然だが)不定詞句が長くなるほど日本語に語順が近くなる。
②主節と不定詞句をコンマ( , )で区切る(読みやすいが、たまに区切らないこともあるので注意)。
    Ich lerne Deutsch.「ドイツ語を勉強する」
    Ich fahre nach Deutschland.「ドイツへ行く」
         ↓
         nach Deutschland zu fahren「ドイツへ行く(こと、ため)」
         ↓
    Ich lerne Deutsch, nach Deutschland zu fahren.
    ドイツへ行くためにドイツ語を勉強する」
    (Ich lerne Deutsch, um nach Deutschland zu fahren. ならなおよい)

S.31の例でも確認しましょう;
    Es ist interessant, eine Fremdsprache zu lernen.
    Du brauchst nicht auf mich zu warten.
    Hast du Lust, heute mit mir ins Kino zu gehen.

Übungen
[1][後半の文が不定詞句になる時、主語が消えることに注意!]
1. Es ist wichtig, viel Gemüse zu essen.
 「野菜を沢山食べることは大事です」
2. Ich freue mich darauf, diesen Sommer nach Deutschland zu fliegen.
 「今年の夏にドイツへ行く(飛ぶ)のを楽しみにしている」
 [darauf「それについて」の「それ」は後半の不定詞句全体をさす]

[2]
1. Yui macht das Fenster auf, um Luft zu nehmen.
 「ユイは窓を開けて空気を入れる」
2. Wann kommt der ICE aus München in Berlin an?
 「ミュンヒェン発のICEはベルリンにいつ着きますか?」
3. Heute Abend rufe ich dich an.
 「今夜、あなたに電話するわ」




9.Oktober ― 40.Todestag Che Guevara


第3講(16.Oktober 2007)
 Lektion 7(続き)。Lesetext。

Übungen
[3]
1. Thomas hat am Wochenende vor, ans Meer zu fahren.
 「トーマスは週末に海に行くつもりです」
2. Sabine hat am Wochenende vor, einen Kuchen zu backen.
 「ザビーネは週末にケーキを焼くつもりです」
3. Yui hat am Wochenende vor, eine Hausarbeit zu schreiben.
 「ユイは週末にレポートを書くつもりです」
4. Philipp hat am Wochenende vor, mit dem Fahrrad zum Wannsee zu fahren.
 「フィリップは週末に自転車でヴァンゼーに行くつもりです」


第4講(23.Oktober 2007)
 Lektion 8。助動詞の用法。

Übungen
[1]
1. Das Kind kann nicht schwimmen.
 「その子は泳げない」
2. Das muss wahr sein.
 「それは本当に違いない」
 (英語でも must=「ねばならない」と機械的に暗記していると、訳を間違えますよ!)
3. Hier darf man nicht rauchen.
 「ここは禁煙です」
4. Möchten Sie Kaffee trinken?
 「コーヒーをお飲みになりますか?」
5. Sie will im Ausland studieren.
 「彼女は外国で勉強したがっている」(英語の will とは意味が違います)
6. Soll ich das Fenster aufmachen?
 「窓を開けましょうか」(auf|machen = öffnen「開く」)
7. Es wird bald regnen.
 「もうすぐ雨だ」(ドイツ語の werden は英語の will 同様、「単純未来」をあらわす)


第5講(30.Oktober 2007)
 Lektion 8(続き)。Lesetext。


第6講(06.November 2007)
 Lektion 9。過去形と現在完了形。
 今回の文法上のポイントは、すべてユイのセリフの中にあります;
    Ich bin in Japan einmal in einen Biergarten gegangen, (< gehen)[現在完了]
    aber dort hat es mir gar nicht gefallen. (< gefallen)[現在完了]
    Außerdem waren da viele Männer betrunken. (< sein)[過去]
    Ich hatte keine Lust,... (< haben)[過去]
    Was hast du gesagt? (< sagen)[現在完了]

betrunken は本来、動詞 betrinken の過去分詞ですが、そのまま「酔っ払って」と訳して構いません。英語の drunk < drink と同様です。
 動詞 vorstellen は本来「~を紹介する」ですが、今回の会話では sich3 vorstellen で再帰的に用いられて「(自分が)思う、わかる」という意味になっています。で「gefallen+3格」の用法は、もう説明しなくてもよろしいですね?

Übungen
[2]
1. Ich habe das Buch schon drei Mal gelesen.
 「私はその本をもう三回も読んだ」
2. Hat er schon seine Hausarbeit geschrieben?
 「彼はもう宿題を書き上げたかい?」
3. Sie hat am Seminar teilgenommen.
 「彼女はゼミに参加した」
4. Wissen Sie, ob er nach Deutschland geflogen ist?
 「彼がドイツに出発したかどうか、ご存知ですか?」
 [注意!接続詞 ob で始まる従属節なので語順が変わっている。教科書S.19を見よ]


第7講(13.November 2007)
 Lektion 9(続き)。Lesetext。
 授業で紹介したフランケンワインの瓶は der Bocksbeutel(ボックスボイテル)といいます。「牡山羊(Bock)の袋(Beutel)」の意味ですが、詳しくは辞書を見てください。フランケンワインは、広島では探すのに骨が折れますが、扱っている酒店が幾つかあります。お問い合わせは井浦まで。


第8講(20.November 2007)
 Lektion 10。形容詞の格変化。
 ドイツ語の形容詞は、うしろに来る ①名詞の性は何か? ②名詞の格は何か? そして ③冠詞があるかないか? の3条件で変化します……という話は昨年の授業でもうやりました。なぜ形容詞の語尾が変化する必要があるのか?についてはこちら⇒形容詞の語尾変化

①冠詞もなにもないとき

男性名詞
女性名詞
中性名詞
複数
1格
guter Mann
gute Frau
gutes Buch
gute Leute
2格
guten Mannes
guter Frau
guten Buches
guter Leute
3格
gutem Mann
guter Frau
gutem Buch
guten Leuten
4格
guten Mann
gute Frau
gutes Buch
gute Leute

  

②不定冠詞( ein )があるとき または所有代名詞( mein, dein, sein, Ihr, ..... )があるとき

男性名詞
女性名詞
中性名詞
複数
1格
ein guter Mann
eine gute Frau
ein gutes Buch
meine guten Leute
2格
eines guten Mannes
einer guten Frau
eines guten Buches
meiner guten Leute
3格
einem guten Mann
einer guten Frau
einem guten Buch
meinen guten Leuten
4格
einen guten Mann
eine gute Frau
ein gutes Buch
meine guten Leute

  

③定冠詞( der )があるとき または指示代名詞( dieser, jener, ..... )があるとき

男性名詞
女性名詞
中性名詞
複数
1格
der gute Mann
die gute Frau
das gute Buch
die guten Leute
2格
des guten Mannes
der guten Frau
des guten Buches
der guten Leute
3格
dem guten Mann
der guten Frau
dem guten Buch
den guten Leuten
4格
den guten Mann
die gute Frau
das gute Buch
die guten Leute

Übungen
[2]
1. Sie schreibt ihrer alten Mutter 【女性名詞・3格・不定冠詞類(所有代名詞 ihr は ein と同変化)】
  einen langen Brief. 【男性名詞・4格・不定冠詞(ein)】
 「彼女は、彼女の年老いた母親に長い手紙を書く」
2. Ich trinke gern deutsches Bier 【中性名詞・4格・冠詞なし】
  und französischen Wein. 【男性名詞・4格・冠詞なし】
 「私はドイツのビールとフランスのワインを飲むのが好きだ」
3. In diesem großen Garten 【男性名詞・3格・定冠詞類(指示代名詞 dieser は der と同変化)】
  blühen viele schöne Blumen. 【複数名詞・1格・冠詞なし】
 「この大きな庭にはたくさんの美しい花が咲いている」

[3]
1. Japan ist größer als Deutschland, aber kleiner als Frankreich.
 「日本はドイツより大きいが、フランスよりは小さい」
2. Der Fuji ist der höchste Berg in Japan.
 「富士は日本一高い山です」
3. Die älteste Universität in Deutschland ist die Universität Heidelberg.
 「ドイツ最古の大学はハイデルベルク大学です」


第9講(27.November 2007)
 Lektion 10(続き)。Lesetext やや急いで。

授業で指摘したセリフは、日本語版では次の通り;
A 黒猫に箒、ほんとにひいばあちゃんの言った通りだわ。
 [ kenn は kenne < kennen「知っている」の短縮形]
B きみきみ![道路に飛び出しちゃダメじゃないか]あやうく大事故になるところだ!
 [hättest < hätte は動詞 haben の接続法(非現実話法)]


第10講(04.Dezember 2007)
 Lektion 11。関係代名詞。
 昨年度に学習した通り、ドイツ語の関係代名詞の用法は ①定冠詞がそのまま(2格を除く)関係代名詞になる ②定動詞が末尾に移動する ③関係節をコンマで区切る の3点で英語と異なります。本文には2つ出てきます;

(A) Das ist Thomas, unser neuer Mitbewohner. こちらはトーマス、僕らの新しい同居人さ。
(B) Der Mitbewohner wohnt seit einer Woche hier. その同居人は(1格)一週間前からここに住んでいる。

(A)と(B)をつなげて(正確には、(A)の中に(B)を埋め込んで) 「こちらはトーマス、[一週間前からここに住んでいる]僕らの新しい同居人さ」 としたい場合、ドイツ語では次のようにします;
①修飾節になる(B)の文から、(A)と重複する語を削る。ただし冠詞だけは残す。これが関係代名詞になります;
 der Mitbewohner wohnt seit einer Woche hier
   ↓
②その関係代名詞を先頭に移動させる(この場合は最初から先頭ですが);
 der wohnt seit einer Woche hier
   ↓
③動詞 wohnt を文末に移動させる;
 der seit einer Woche hier wohnt
   ↓
④これで修飾節(関係節)は完成したので、そのまま先行詞となる(A)の Mitbewohner のすぐうしろの場所に挿入し、先行詞と関係節をコンマで区切ります;
 Das ist Thomas, unser neuer Mitbewohner, der seit einer Woche hier wohnt.

(A) Das ist eine traditionelle japanische Puppe. これは伝統的な日本の人形よ。
(B) Die Puppe soll Glück bringen. その人形は(1格)幸運を運んでくると言われる。[助動詞 sollen の訳に注意!]

(A)と(B)をつなげて 「これは[幸運を運んでくると言われる]伝統的な日本の人形よ」 としたい場合、ドイツ語では次のようにします;
①修飾節になる(B)の文から、(A)と重複する語を削り、冠詞だけを残す;
 die Puppe soll Glück bringen
   ↓
②その関係代名詞を先頭に移動させる(この場合も最初から先頭ですが);
 die soll Glück bringen
   ↓
③動詞 soll を文末に移動させる(bringen の方ではないので注意);
 die Glück bringen soll
   ↓
④これで修飾節(関係節)は完成したので、そのまま先行詞となる(A)の Puppe のすぐうしろの場所に挿入し、先行詞と関係節をコンマで区切ります;
 Das ist eine traditionelle japanische Puppe, die Glück bringen soll.
なお、「これは伝統的な日本の人形で、幸運を運んでくると言われているの」という風に、関係節の訳は後回しでもかまいません。授業でも強調したように、自然な日本語訳をこころがけましょう。

 もう一つ大事なのは「どうして知ってるの?」の表現。「どうして」だからといって ×Warum weißt du ...? ではありません。Woher weißt du ...?(直訳;どこから知ったの?)です。

Übungen
[1]
1. Wie heißt die Stadt, in der sie wohnt?
 「彼女が住んでいる町は何というのですか?」
2. Der Film, den wir gestern gesehen haben, war sehr interessant.
 「我々が昨日見た映画は面白かった」
3. Wo ist die Firma, bei der der Mann arbeitet?
 「その男が働いている会社ってどこ?」
4. Ich kenne eine Studentin, deren Vater Japaner ist und deren Mutter Deutsche ist.
 「父親が日本人母親がドイツ人の学生を知っている」

[2]
1. Lies dieses Buch!
 「この本を読め」
2. Trink nicht so viel!
 「飲み過ぎるな」
3. Kommt pünktlich!
 「(君たち)時間通りに来いよ」
4. Seien vorsichtig!
 「気をつけてください」


第11講(11.Dezember 2007)
 Lektion 11(続き)。Lesetext 略。


第12講(18.Dezember 2007)
Heute möchte ich Ihnen einen köstlichen Christstollen und einen spannenden Film(↓) anbieten.
Komm mit etwas zu trinken!


der Christstollen(量産型 ジュピター・シャレオ店とかで売ってます)

Fröhliche Weihnachten und ein Glückliches Neues Jahr!
Froue Weihnachdn und a Froos Neis Jōr!
¡Feliz Navidad y Próspero Año Nuevo!
Joyeux Noël et Bonne Année!
Noeliniz ve Yeni yılınız kutlu olsun!/Kurban Bayramınız kutlu olsun!
Поздравляю вас с рождеством/с Новым годом!
圣诞节乐!/新年好
Ĝojan Kristonaskon kaj feliĉan novjaron!
annum novum faustum felicem!

[上から 標準ドイツ語、バイエルン方言、スペイン語、フランス語、トルコ語、ロシア語、中国語、エスペラント、そしてラテン語]


第13講(08.Januar 2008)
 


第14講(15.Januar 2008)
 質問タイム(Sprechstunde)


期末試験 Prüfung(22.Januar 2008)


過去の授業内容

(1998年度講義概要 はありません)

1999年度講義概要
2000年度講義概要
  2000年度期末試験
2001年度講義概要
  2001年度期末試験
2002年度講義概要
  2002年度期末試験
2003年度講義概要
  2003年度期末試験
2004年度講義概要
  2004年度期末試験
2005年度講義概要
  2005年度期末試験
2006年度講義概要
  2006年度期末試験