ベティム・ムチョ(アルバニア・日本協会会長)からのメッセージ
E-mail nga Betimi, më dt.16 prill 1999
(1999年4月16日付)

Dear Babuç,
Thanks a lot for being concerned for us. We are well. In Tirana,
situation is calm but in border region with Kosovo there are many
slashes. The Serbian forces are trying to provocate for beginning a
war with Albania. There are more than 300.000 refugees from Kosovo now
in our country. There are many years we are accustomed now with that
kind of life. We will survive, don't worry. Sometimes I miss you and
my Japanese friends. I tried some times to be connected with you but
it was impossible because of your new address. It is a Network address
and we have not yet Internet access to reach it. I am trying again,
otherwise I will send this nessage for you to Iura san.
Best regards and wishes.

親愛なるバブゥチ[片山事務局長のアルバニアにおける愛称。『大将』とか『おやっさん』とかそういった意味]、

 いつも僕たちのためにいろいろありがとう。みんなは元気だ。
 ティラナの様子は平穏だが、コソヴォとの国境ではこぜり合いが続いている。セルビア軍はアルバニアとの戦争を始めようと、挑発を続けているんだ。今わが国には30万人以上の難民がいる。僕たちはもう何年も、こういう生活には慣れっこさ。僕たちは生きていく。だから心配はいらないよ。君や、日本のみんなに会えないのがさみしい時もあるけどね。
 君と連絡を取ろうとしたのだけれど、君がアドレスを変えたのでそれもできない。君のはネットワークアドレスだが、僕の方ではまだこれにアクセスできないんだ。もう一度やってみるか、井浦氏に伝言を頼んでみよう。
[実際、このメールは井浦宛のものを事務局宛に転送しました]

敬具



(追記)アルバニアに活動しているAMDA調査員の小川秀樹氏より、ムチョ氏との話が片山事務局長に届きました。(4月20日)

 小川です。ムーチョ先生との面会の内容をお伝えします。
 先生は地震学の専門、学士院メンバーで地震研究所の教授、かつ日本関係でアルバニア語による翻訳書(三島の金閣寺)や著作のある著述家でもあります。日本滞在経験は短期ですが2回あるとのこと。日本語は読んだり書いたりはできないようです。彼は英語、ロシア語ができます。ちなみに夫人も同席されましたが、元大学教授(経済学)で現在は中央銀行勤務です。英語も流暢、仏語もできそうです。一見して超インテリ夫妻という印象です。たいへん立派な方ですが、こちらが恐縮するくらいに、こまめに町を案内してくれ、レンタカー会社や通訳の件でいろいろとアドバイスもくれました。 オフィスにはパソコンを持ち、e-mail も用いていますが、インターネットには接続しておらず、メールも今のところインカミングのみだと言います。(betim@sizmo.tirana.al)
 昨日は初めてお会いするので、一般的な話に終始しましたが、そのなかでも移動や治安に関しての話の概要は以下の通りです。
 「97年の経済暴動以来、アルバニアは治安が悪く、普通の人はもはや国内をバスやタクシーで長距離を移動することさえ控えるほど。とりわけ国土の北と南の端が危険で、コルチェからティラナ、ティラナからクケスへの道も危険だが、まだましな方だろう。しかしどこでも通行車に対する襲撃等の可能性はあり、できる限り国内の長距離の移動は避ける方が得策である。クケスへの道は初めから状態が悪い上に、昨今の通行量の増大でさらに悪化しており、昼間に限って急がずに通行すべき。
 今はユーゴ紛争特需でタクシー料金が高騰しており、むしろ運転手付きでレンタカーを借りるべき。その方が安価でかつ安全だろう。
  アルバニアへの外国人の渡航については、今でもアルバニア航空のみがローマ、ボローニャ、イスタンブール、アテネから首都ティラナへ飛んでいる。ただし飛行機は旧式であまり快適とは言えない。多くの外国人はイタリアからフェリーでやってくる。最も早く安価で、かつ安全だからである。
 クケスについては、今アルバニアで一番混乱している町なので、治安にはくれぐれも注意する必要がある。外国人と難民でごったがえしているので、ホテルも皆無だろう。テントを用いる場合は、国際機関が護衛をつけている指定されたエリアでのみ野営すべき。ホテルが確保できず、しかも保健省や現地の病院で特別の宿泊のアレンジが提供されない場合は、長期で継続してクケスに滞在するのは無理で、通いという方法を併用しなければならないのではないか。」

 18日(日曜)に代表と電話で話をし、AMDA支部設立にむけて指示を受けましたので、再度ムーチョ先生にコンタクトして、具体的に話をするつもりです。

以上

小川秀樹


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