アゼム・ハイダリ (今度こそ)殺される

>一年前、人民議会内で狙撃され急死に一生を得た民主党のアゼム・ハイダリ Azem Hajdari議員が、先週土曜日(9月12日)夜9時15分、民主党本部内で何者かに銃で撃たれ、死亡した。現場に居合わせた他2人も銃撃を受け、1人が死亡、1人が重傷を負った。
 

ベリシャ派(?) 首相官邸を襲撃

>この事件に関し前首相サリ・ベリシャSali Berishaはいち早く、事件に与党社会党が関与していると主張。翌日曜日、ハイダリ氏の葬儀に集まった民主党支持者(というより前首相サリ・ベリシャSali Berishaの支持者?)でも、同氏は社会党を激しく攻撃した(15日に南のヴロラVlorëでも同様の集会が行われた)。
>翌月曜日、重火器で武装した集団が閣僚評議会の建物を襲撃し、内部占拠は実現しなかったものの、建物に甚大な被害を与えた模様。
 

ナノ首相 内閣改造と武装解除を提案

>社会党のファトス・ナノFatos Nano首相は、武装解除を条件として内閣改造など妥協の可能性を示唆。レヂェプ・メイダニRexhep Mejdani大統領は野党の中道右派勢力の各党首と会談。EU、OSCE、イタリア、ドイツなど西欧各国は調停の用意があることを相次いで表明。
>野党支持者数百名は「スカンデルベウ」広場を中心に断続的な非武装デモを続行中。火曜日には再び閣僚評議会に武装集団が入り込み、ナノ首相辞任を要求。
>武装集団は攻撃を停止中。しかし武装解除の気配は見せず、依然民主党本部周辺で軍とにらみ合ったまま。
 

散発する事件、動く政局

>16日付のATShによれば、教育省の建物を武装集団が襲撃。コンピュータ、コピー機、タイプライター、電話機などが破壊され、被害総額は約800万レク(約800万円、日本の場合、十倍位にして考えて下さい)。
>17日の人民議会で、スカンデル・ジヌシSkënder Gjinushi議長(社会民主党;与党社会党と連立中)は、サリ・ベリシャの議員不逮捕特権の剥奪を高等検察局に求める旨提案。
>18日の人民議会は、サリ・ベリシャの不逮捕特権剥奪を3分の2以上の多数で可決(無記名投票。投票総数113。賛成108。白票5)。これにより検察はサリ・ベリシャを、武装蜂起を組織した罪で起訴することが可能となった。一方、ベリシャ氏本人は「現体制が存在する限り、私は戦い抜く」と依然強気の姿勢を崩していない。
 

されど日常生活も進む

>教育科学省による大学入学試験は、数日遅れで実施。ティラナ大学でも、全国の受験者数の4分の1にあたる学生が試験に臨み、1894名が合格した。ちなみに全国の大学合格者数は6800名で、昨年より約千人の増加。平均倍率は4倍、人気の分野はジャーナリズム学、法学、心理学。
 

ついに党首逮捕
>14日に起きたアルバニアラジオテレビ(RTSh)局舎襲撃に関連して、王党派政党である合法党(Partia Lëvizja Legaliteti)の党首サナス・スパヒア(Thanas Spahia)が24日逮捕された。スパヒア党首がテレビ向けに撮影したビデオテープの中で、公的機関の武力制圧を言明している点が、関与の証拠となった。なお、合法党は、あからさまな政治的逮捕だとして、党首の釈放を要求している。
 

「コソヴォ議会」議員撃たれる
>25日金曜日、コソヴォの首都プリシュティナPrishtinëで、コソヴォ議会(目下セルビア政府により非合法化)の議員であるサブリ・ハミティ(Sabri Hamiti)氏が何者かに狙撃され、重傷を負った。氏は作家・文学研究家でもあり、アルバニアの学校の文学史教科書の執筆にも携わっていた。事件を受けてアルバニアの人民議会、アルバニア作家芸術家同盟はそれぞれ事件に対する抗議と早期解決を求める声明を発表した。
 

緒方弁務官ティラナに到着
>緒方貞子・国連難民高等弁務官が28日ティラナに到着、在ティラナ国連大使ダン・エヴェルツDaan Evertsやアルバニアの欧州統合委員イリル・メタIlir Metaらと会見。氏は、コソヴォからの難民が集まっているシュコダルShkodërに赴き、難民の現状を視察する予定。
 

人民議会前で兵士発砲。巻き添えで一人死亡
>同じく28日の昼頃、人民議会前で警備にあたっていた兵士が発砲、流れ弾が通行中の35歳の女性に当たった。女性は収容先の病院で同日死亡。軍当局の発表によれば、この兵士に男性二名が襲いかかり、銃を奪おうとしたので、兵士は自衛のため発砲したとのこと。銃を奪おうとした男達の消息は不明。
 

検察、ベリシャ氏に出頭命令?
>ティラナの高等検察局は、議員不逮捕特権を剥奪されたサリ・ベリシャ民主党党首に対し、9月13日および14日に発生した暴動への関与を巡って、同氏に事情聴取を行う方針。ただし10月2日現在、その後の経緯は伝えられていない。
 

更に新しい情報が入れば、お伝えします。さしあたり国営通信社ATShによる毎日の記事が最も役に立ちます。
 
 
 

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