Deutschlandreise
Städte gestern und heute
ユネスコ世界遺産で学ぶドイツ語
【地名はあえて原音に近いカタカナ表記にしています】
Lektion... 1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12
Lektion1
Lesetext
M: ようこそ、学生のみなさん。私はトーマス・ミュラーと申します。旅行ガイドです。ベルリーン出身です。そしてこちらが私のパートナーです。お名前は?
T: タナカ・ジュンコ(田中純子/田仲順子/淳子/潤子…?)です。
M: どちらのご出身ですか?
T: 東京です。
M: 学生ですか?
T: はい、大学でドイツ語を学んでいます。
M: いっしょにドイツとオーストリアを旅行しましょう。
M/T: それでは、お楽しみ下さい。
Dialog
M: やあ、ぼくはマックス。
Sh: はい、ショウコ(祥子/彰子/将子/晶子/翔子/将子…?)よ。
M: ボール【ワイン、シャンパン、果汁などのミックス】にする、それともシャンパン?
Sh: え?
M: ハイボールにする、それともシャンパン?
Sh: シャンパンがいいわ。
M: ぼくもだよ。シャンパンを持ってこよう…乾杯。
Sh: 乾杯。
M: ジャイヴは最高だね。踊らない?
Lektion2
Lesetext
T: 私たち今日はどこへ行くんですか?
M: 今日はアーヘンへ行きます。アーヘンはドイツの西にあります。この都市はとても古いんです。
T: これはどんな種類の建物ですか?
M: これがアーヘンの大聖堂で、この都市のシンボルです。大聖堂の中にはカール大帝の墓があるんですよ。
T: ああ、帝墓ですね。
M: そう。カール大帝はフランクの皇帝であり、またローマ帝国の皇帝でもあったのです。だから彼は「ヨーロッパの父」とも呼ばれています。
Dialog
M: やあ、ショウコ。
Sh: はい、マックス。あなたもお野菜を買いに?
M: うん、今日は野菜料理をするんでね。このカリフラワーは実に新鮮だよ。あとは胡瓜が欲しいな。ここにある。
Sh: でも胡瓜の端っこがしなびてるわよ。これはやめましょう。ほら、籠を持ってきたの。
M: そっちがレジだよ。
Sh: あら、お金がないわ。
M: 心配ないよ。僕がたっぷりお金を持ってるから。
Lektion3
Lesetext
T: ここはどこですか【私たちがいるここはどこですか】?
M: 今私たちがいるのはケルンです。この都市はライン川のすぐそばにあります。ケルンはローマ人の都市です。2000年の歴史を持つ都市でもあります。「ケルン」という名前は「コローニエ」という語から来ているのです。
T: 向こうにすごく高い塔が見えますね。あれは何ですか?
M: あれはケルンの大聖堂ですよ。長さ144メートル、幅86メートル、高さ157メートルです。この大聖堂はヨーロッパにおけるゴシック様式の一例です。世界的に有名ですね。でもケルンにはまだたくさんの教会があります。この都市は「北のローマ」とも呼び習わされているんですよ。
Dialog
M: おいで、ショウコ。見てよ、ここに現金自動支払機があるよ。カードある?番号はわかる?
Sh: 悪いけど数字【の読み方】はちょっと忘れちゃったわ。でもカード番号はわかるわよ。
M: 僕も名前はよく忘れるけど、数字ってのは絶対ないよ。じゃ、僕らいっしょなら完璧だね。
Sh: たぶんね。バッグをとってくれる?
M: いいとも。
Sh: どうも。あ、お金が出てきたわ。すんだわよ。さあ、行きましょう。
M: ショウコ、明日ドライヴに行くんだ。いっしょに行かない?
Lektion4
Lesetext
M: 今日はハンザ都市リューベックをご案内します。
T: ミュラーさん、ハンザについて説明してもらえませんか。
M: ハンザというのは中世の都市同盟です。リュ―ベックは「ハンザの女王」でした。この都市の市民は現在でもそのことを誇りに思っています。
T: さて、今私たちはこの古都の中心にいるんですね。
M: そうです。この古都の中心部を構成するのは市場に市庁舎、それに聖母教会です。ここに立っているのが「ブッデンブローク家」。トーマス・マンの小説「ブッデンブローク家の人々」の舞台です。
Dialog
M: ガソリンがいるね。ここって無鉛スーパーはどこだろう?あ、あった。
Sh: 手伝うわ。ウィンドウが汚れてるわね。私がきれいにするわ。どこへ行くの?
M: ロマンティック街道を通って、ディンケルスビュールの「子ども祭り」に行こう。
Sh: 何それ?
M: お祭りだよ。三十年戦争の歴史を記念してるのさ。町じゃ今日はパレードもあるんだよ。好きかい?
Sh: うん、いいわね。タウバー河畔のローテンブルクで一休みしていかない?
M: いいよ。あとタイヤ圧とオイル状態をチェックしておこう。それから出発だ。
Lektion5
Lesetext
M: タナカさん、ヴィッテンベルクはご存知ですか?
T: いいえ、申し訳ないんですか、特によくは知りません。
M: ヴィッテンベルクはマルティン・ルターと宗教改革の町ですよ。
T: ええ、そうですね。その宗教運動が西洋の教会の分裂を引き起こしたんですよね。
M: その通り。宗教改革の発祥の日は1517年の10月31日です。ルターは、教会の贖宥状(免罪符)販売に反対して、ヴィッテンベルクの教会の扉に95か条の論題を打ちつけました。彼の聖書の翻訳【ドイツ語訳】が、現在のドイツ文章語の基礎を作ったのです。
Dialog
Sh: ここは何の教会?
M: ここは聖ヤーコプ教会で、ゴシックの建築様式だよ。この教会には、ティルマン・リーメンシュナイダーの祭壇があるんだ。有名だよ。知ってた?
Sh: ううん、そういう祭壇のことは知らなかったわ。残念、カメラは車の中ね。中に入りましょうか?
M: ああ。今は礼拝もやってないし。でも毎週日曜日の10時にはここで礼拝があるんだよ。その時は見学はできないからね。行こう。
Sh: あとでその絵葉書を買いましょう。祭壇の写真もあるし。
Lektion6
Lesetext
M: 今日はタウバー河畔のローテンブルクを訪ねます。まずは市庁舎の塔にのぼりましょう。この都市は今でも、城壁と物見やぐらで囲まれているのです。
T: ハーフティンバー(木骨家屋)が特にいいですね。見て下さい。下の市場(マルクトプラッツ)にたくさん人がいて、大学から市庁舎宴場の方を眺めていますよ。
M: たぶん今から「マイスタートルンク」の鐘が鳴り始めるんでしょう。言い伝えによれば、三十年戦争の時にヌッシュ市長が、町を破壊から救うため、3リットルのワインを一気に飲み干す賭けに勝ったのです。
Dialog
Sh: このお祭りは毎年あるの?
M: うん。7月にはいつもディンケルスビュール市民がお祭りを主催するんだよ。三十年戦争で子供たちが町を救った話だよ【それは子供たちによる三十年戦争での町の救済について物語っている】、もちろんこの話は単なる言い伝えだけどね。
Sh: ほら、子供たちが来るわ。みんな衣装を着ているわね。
M: ローレが来たら教えてあげるよ【もし私がローレを見たら、君に彼女を指してあげよう】。あれがそうだよ。前を歩いていく。話では、スウェーデンがこの町を破壊しなかったのは、ローレが他の子供たちといっしょに許しを請い求めたからなんだ。
Sh: みんなこのお祭りが好き【この祭りは人々を大いに楽しくさせる】みたいね。
Lektion7
Lesetext
M: 今回はヴュルツブルクを見ていきましょう。マイン橋を渡ると、すぐにマリーエンベルク要塞です。現在ではマインフランケン美術館になっていて、ティルマン・リーメンシュナイダーの作品がたくさんあります【それは現在ティルマン・リーメンシュナイダーの多くの作品のあるマインフランケン美術館を収容しています】。
T: ここから町が見えますよ。向こうには宮殿(レズィデンツ)がありますね。
M: はい、領主司教の宮殿はとても有名なバロック建築です。そこの踊り場はバルタザール・ノイマンの代表作の中に数えられています。ところでタナカさん、のどが渇きませんか?フランケンワインを飲んでみませんか?典型的なボックスボイテルなんかどうですか?
T: まあ、いい考えですね。
Dialog
M: 何頼む?
Sh: のどが渇いたわ。とりあえず何か飲まないとね、ビールか何か。
M: 水を飲もう、車を運転しなきゃいけないから。【ウェイトレスに向かって】メニューをもらえませんか?【ショウコに向かって】うちに帰るのは遅くなるよ。食事もしていかない?
Sh: うん、シュペツレがいいわ。ここの名物なのよ。
M: 僕もシュペツレ料理できるんだよ。信じないの?一度作ってあげようか?驚くよ。
Lektion8
Lesetext
M: 次の旅行先はオーストリアの首都ヴィーンです。市内観光の最初は町の目印であるシュテファン聖堂です。屋根の向こうに巨大観覧車が回ってますね。あそこがプラータ公園です。美しいお城といえばシェーンブルンですね【最も美しい城(複数)の中にはシェーンブルンが属しています】。このバロック式の宮殿はマリア・テレジアの居城でした。ナポレオンの死後、ここで1814年から1815年までヴィーン会議が開かれたのです。タナカさん、この文化都市の有名人で、まだ他に知りませんか?
T: もちろん知ってますよ。例えば音楽家では、ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、そしてワルツ王ヨハン・シュトラウス。あとユーゲントシュティール派の画家ではグスタフ・クリムト。他に私が思いつく【mir einfallen 私に思いあたる】のは、「精神分析の父」ジグムント・フロイトですね。
Dialog
M: 今日は今シーズン一押しのゲームに備えてトレーニングだよ。僕はフロントミッドフィルダーをやらなきゃいけないんだ、本当はデフェンスの方がいいんだけどね。他のチームは僕らよりすごいけど、今回はまだ勝算があるんだ。だって新しいトレーナーがいるからね。経験豊富な戦術家だよ。
Sh: サッカーのことはよくわからないんだけど、見るのは好きよ。もっとわかるようになるんじゃないかしら。
M: いいね。じゃあクラブで冷たいラードラーを飲もうよ。かっこいい人たちにも会えるしね。
Lektion9
Lesetext
M: ポツダムはベルリンのそばにあります。今日はサンスースィー【ザンスースィー】宮殿を見学しましょう。ここはドイツ・ロココの傑作として知られています【として通用する】。
T: サンスースィーってどういう意味ですか?
M: これはフランス語で「悩みがない」という意味です。フリードリヒ大王が芸術、とりわけ音楽に専念し【自分自身を捧げ】、政治家の悩みを忘れようとしたのです。彼のもとでプロイセンはヨーロッパの最強国に発展した【自分自身を発展させた】のです。
T: ポツダムといえば、ポツダム会議でも有名ですね【私にとってポツダムは、ポツダム会議のために有名です】。
M: その通り。1945年8月2日に連合国(アメリカ合衆国、イギリス、ソヴィエト連邦)がサンスースィー宮殿で、いわゆるポツダム宣言に署名した【宣言を署名した】のです。
Dialog
Sh: 痛いの?【 es は非人称主語】
M: ひどく痛いわけじゃないよ。ただ僕は自分に腹が立ってるのさ【私は私を、私自身について怒らせる】。何でこんな怪我しちゃうんだろうなあ【人はどのように自分自身をこれほどひどく傷つけることができるのか】。きっと次の練習ではブーイングの嵐だよ【きっと次の練習では矢(が降る)のような非難だ】。
Sh: 怒ったってしょうがないでしょ【自分自身を怒らせることは意味を持たない】。いらっしゃい、座りましょう。看護婦さんが、もう少し(時間が)かかると言ってたわ。今、先生を呼びに行ってるから。
M: まあ、来週の大事な試合に出られないのもしょうがないとあきらめるさ【~で自分自身を納得させる】。ショウコ、手を貸してくれてありがとう。
Lektion10
Lesetext
M: タナカさん、ゲーテはお好きですか?
T: ええ、「ファウスト」なんかいいですね。
M: 本当ですか?あれは素晴らしいけど難しい物語ですよ。ゲーテ時代のヴァイマールはドイツ古典の中心地でした。ここではゲーテ(ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)、シラー(フリードリヒ・フォン・シラー)、ヘルダー(ヨーハン・ゴットフリート・フォン・ヘルダー)、ヴィーラント(クリストフ・マルティーン・ヴィーラント)やその他の重要人物が生活し、活動していました。ずっと後になって、この小都市では民主的な憲法が制定されました。
T: ああ、1919年のヴァイマール憲法のことですね?
M: そう、そのことですよ。でも、ヴァイマールの近郊では過去にまったく別の出来事もありましたね。ほんの数キロ離れたところに、第三帝国最大の強制収容所、ブーヘンヴァルト強制収容所があります。ここでは子供も含めて50000人以上が命を落とした【den Tod finden】のです。
Dialog
Sh: カウンターの女の人が言ってたけど、ミュンヒェン行きの列車が15分遅れてるそうよ。時間までに空港に着くかしら?
M: 大丈夫さ。時間はたっぷりあるよ。切符は持ってる?
Sh: ええ、バッグの中よ。確かにあったのに。見つかるはずなんだけど【ここの sie は die Fahrkarten のこと】。あ、あった。財布に入ってたわ。
M: ちょっとあわててるんじゃないの【受身の表現 bist..... aufgeregt 】。じゃあホームがどこか探そうか【今から正しいホームを探そう】。時刻表には何て書いてあった【動詞 stehen 】っけ?
Sh: 列車は10時44分に、4番ホームから出発ですって【助動詞 sollte には『伝聞』の意味が含まれる】。
Lektion11
Lesetext
M: タナカさん、ベルリン市の紋章を見たことはありますか?
T: ええ、あれは熊ですよね。「ベーァリーン」と「ベーア」、ことば遊びみたいですね。
M: 1871年からベルリンはドイツ帝国の首都でした。黄金の20年代には芸術と文化の中心に発展しました。第二次世界大戦中、町は完全に破壊されました。無条件降伏の後で連合国はベルリンを4地区に分割しました。そして1961年、西ベルリンは壁によって東ベルリンから分断されたのです。ベルリンの壁は高さ約4メートル、長さ約107キロメートルありました。1989年11月9日、壁は開放されました。しかしそれより前、1961年から1987年までの間に、百人あまりが壁を越えて西へ逃れようとして、亡くなったのです。
Dialog
Sh: 切符は持ってる?車内ですぐ検札されるはずだからね。
M: 心配しないでちょうだい。ズボンのポケットに入れたから。
Sh: でもくちゃくちゃになっちゃうかしら。
M: だいじょうぶさ。ドイツでの時間はあっという間だったね。君もそう思うだろう?
Sh: 残念だけどそうね。ここは本当によかったわ。いろんなものを見て、経験したし。でも東京も楽しみだわ。向こうで家族が待っているから。いつ日本に来てくれる?
M: 東京には行ったことないからね。一度は君のところへ行くよ。
上は西ベルリン(1954年製) 下は東ベルリン(1934年製)
再統一後(1990~)は西ベルリンの紋章が使われている。
Lektion12
Lesetext
M: ベルリンは今では再び統一されたドイツの首都です。
T: では最後の課は帝国議会から始めましょう。
M: このすぐそばに町の目印であるブランデンブルク門が見えますね。ここはかつて壁の一部でした。このベルリンで一番有名な通りは「ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)」といいます。
T: この歴史的な通りには、今でもたくさんの記念碑(的な)建築物がありますね。フンボルト大学、兵器庫に国立オペラ座。ベルリンには美術館(博物館)もたくさんあると聞きましたが。
M: その通りです。みなさんには、博物館島にあるペルガモン博物館をおすすめしましょうか。おみやげをお買い求めなら、少なくとも「クーダム(クーアフュルステンダム)」はぶらついてみるべきですね。
M: 学生のみなさん、ここでみなさんとはお別れです。私たちのドイツ・オーストリア旅行は気に入っていただけましたでしょうか。おつきあいいただいて、ありがとうございました。みなさんどうぞ、ごきげんよう。
M&T: じゃあ、さようなら。
Dialog
M: おいで、手荷物をあずけよう。一番重いかばんを渡して。
Sh: ありがとう。でも手に気をつけてね。これは私が持っていくわ。これは飛行機の座席に一緒に持っていくバッグだから。
M: 思い出に残るいい旅になることを願ってるよ。
Sh: どうもありがとう。予約した席は窓際なの。来たときと同じ航空会社で戻るのよ。もう時間だわ。マックス、元気でね、さようなら。あなたはドイツで会った一番いい【nett】友だちよ
M: さようならショウコ。東京でまた会おうね。
もどる